ポコポコ
ピアノ四重奏曲第2番についての話。楽章冒頭の発想記号を以下に記す。
- 第1楽章 Allegro non troppo
- 第2楽章 Poco Adagio
- 第3楽章 Poco Allegro
- 第4楽章 Allego
第2楽章と第3楽章に注目願いたい。「Poco Adagio」「Poco Allegro」だ。「Poco」が2回続く。同一作品の連続する楽章が「Poco」で始まるのはここだけである。
「Poco」は一般に「少し」と解されて疑われることはないが、何せブラームスは生涯にわたって「poco」を楽譜上にばら撒いた。だから時と場合に応じて柔軟に解釈する必要がある。意訳委員会では「poco」について「~気味に」という解釈も試みている。
言われてみるとピアノ四重奏曲第2番には「poco」の微妙な用例が多い。第一楽章に現れる「p poco espressivo」や「poco crescendo」がその実例だ。
本日から4番目の室内楽ピアノ四重奏曲第2番。
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