短調まみれ
ソナタと称する多楽章の器楽作品において、全ての楽章が長調になっているケースは割と頻繁に見かける。ブラームスでもそうだ。第2交響曲やヴァイオリン協奏曲などさっと思い出すことが出来る。
ところがその逆、全楽章が短調の曲となると大変珍しくなる。
ブラームスでは唯一チェロソナタ第1番だけがそれに該当する。全部の楽章が短調だからそれらの第一主題が短調になっているのは当然として、第1楽章の第2主題も短調で、第2楽章の中間部も短調だ。フィナーレ第3楽章で現れる諸主題も短調である。まさに異例中の異例と言えよう。
だから母の死が反映しているという俗説が変に説得力をもってしまうのだと思う。
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