ハイメランさんの見立てから
昨日の記事「アマチュアの視点から」の続き。むしろこれが本題。「クワルテットの楽しみ」で述べられるアマチュア視点から見た作品の難易度評価の話を掘り下げる。彼らの掲げる基準は以下の通り。分母は全体のアンサンブルの難易度。分子は第一ヴァイオリンの難易度。
- 大変やさしい
- アマチュアでも初見で十分やれる
- 自分のパートをあらかじめちょっと見ておくほうがいい
- がまんできる程度の成果を得るためには充分な練習が必要
- アマチュア可能の最上限。集中的徹底的な研究無しには果たしえない
- アマチュア立ち入るべからず
肝心なブラームスの評価を以下の通り。
- ピアノ三重奏曲第1番ロ長調op8 「4/5」
- 弦楽六重奏曲第1番op18変ロ長調 「4/5」
- ピアノ四重奏曲第1番ト短調op25 「4/4」
- ピアノ四重奏曲第2番イ長調op26 「5/5」
- ピアノ五重奏曲へ短調op34 「4/4」
- 弦楽六重奏曲第2番ト長調op36 「4/5」
- ホルン三重奏曲変ホ長調op40 「4/4」
- 弦楽四重奏曲第1番ハ短調op51-1 「4/4」
- 弦楽四重奏曲第2番イ短調op51-2 「5/5」
- ピアノ四重奏曲第3番ハ短調op60 「5/5」
- 弦楽四重奏曲第3番変ロ長調op67 「5/5」
- ピアノ三重奏曲第2番ハ長調op87 「5/5」
- 弦楽五重奏曲第1番ヘ長調op88 「4/5」
- ピアノ三重奏曲第3番ハ短調op101 「5/5」
- 弦楽五重奏曲第2番ト長調op111 「5/5」
- クラリネット三重奏曲イ短調op114 「4/5」
- クラリネット五重奏曲ロ短調op115 「4/5」
さて、ブラームス作品に対する難易度評価を見て気づいたことをいくつか。
- まず数値に「3未満」が表れない。どの曲も最低「充分な練習が必要」ということだ。
- 「分子>分母」という評価が無い。つまり第一ヴァイオリンだけの難易度が抜きん出ていないということだ。
- 「分子<分母」という評価が6作品に及ぶ。第一ヴァイオリンが弾けてしまえばそれで形になるという代物ではないということに加えて、合わせることの難易度が勝っているとの表明だ。他の作曲家ではこの「分子<分母」型がこれほど頻発しない。
- ヴァイオリンの無いクラリネット三重奏曲にも分数形式の評価があるのは不可解だ。
- 嬉しいことに数値「6」が全く表れない。アマチュアでも頑張っていればいつかは届くということだ。
- 第一ヴァイオリンにとどまらぬ個人のテク、さらにそれよりもアンサンブルの難易度が高いというケースが多い。
- ヴィオラの難易度も表示して欲しい。
- 仲間内での遊びでならヴィオラ入りは全部弾いたことがあるけれど、実感としてはほぼ合っている。
- 返す返すも二重奏ソナタが対象外なのが惜しい。
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