師弟関係
ヴァイオリンに限らず、演奏家の経歴の中で「誰から習ったか」は重要な情報である。2時間のマスタークラスを1回受講しただけで、「師事した」うちに入るから別途注意も要るが愛好家にとっては、興味深い。これらの情報が拡大体系化されることで演奏上の「楽派」が形成されるからバカにならない。我が家所有のCDのヴァイオリニスト同士の間でも下記の通り、師弟関係が認められる。
<スターン>弟子は3名。
- Isac Stern 1960 144.0/132.6/148.2
- Pinchas Zukerman 1974 134.4/132.6/132.6
- Itzhak Parlman 1983 134.4/140.0/157.5
- Shulomo Mintz 2003 118.6/114.5/120.0
<シェリング>弟子は2名だが録音は3種類。
- Henryk Szeryng 1960 144.0/132.6/148.2
- Henryk Szeryng 1971 144.0/140.0/140.0
- AnneSophie Mutter 1982 138.1/148.2/148.2
- AnneSophieMutter 2009 134.4/140.0/140.0
- Heinz Schunk 1987 148.2/140.4/168.0
<オイストラフ>弟子は一人。
- David Oistrakh 1957 165.2/148.2/168.0
- David Oistrakh 1972 142.0/132.6/140.0
- Gidon Kremer 1987 120.0/105.0/120.0
<コーガン>弟子は一人。
- Leonid Kogan 1955 142.0/148.2/168.0
- Viktoria Mullova 1995 165.2/157.5/168.0
<シュナイダーハン>弟子は一人。
- Wolfgang Schneiderhan 1952 144.0/148.2/168.0
- Gerhart Hetzel 1992 152.7/140.0.157.5
<グリミョー>弟子は一人だが録音は2種類。
- Artur Grumiaux 1976 150.4/148.2/157.5
- Augstin Dumay 1978 139.0/131.4/141/2
- Augustin Dumay 1991 141.0/137.7/146.0
- Augstin Dumay 2014 137.8/128.4/141.3
<ブランディス>弟子は一人。
- Thomas Brandis 2003 144.0/132.6/140.0
- Daniel Gaede 2011 126.0/132.6/148.2
さらに師匠の側の録音は存在しないものの、同じ師匠についた兄弟弟子も下記の通り存在する。
<カール・フレッシュ>
- Szymon Goldberg 1953 160.0/157.5/157.5
- Henryk Szeryng 1960 144.0/132.6/148.2
- Henryk Szeryng 1971 144.0/140.0/140.0
<ギンゴールド>
- Jaime Laredo 1983 142.0/132/6/148.2
- Daniel Gaede 2011 126.0/132.6/148.2
<ガラミアン>
- Pinchas Zukerman 1974 134.4/132.6/132.6
- Jaime Laredo 1983 142.0/132/6/148.2
- Itzhak Parlman 1983 134.4/140.0/157.5
- Robert Mann 1993 146.1/132.6/157.5
- Kyung-Wha Chung 1995 138.1/132.6/140.0
テンポについてみる限り、弟子とて師匠に盲目的に追随というわけではないとわかる。ましてや兄弟弟子では一致するはずもない。ガラミアンの弟子たちは4人もいてバラバラのパターンだ。
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