Drei D
「3つのD」のことだ。「D」とは音名をさす。平たく言うと「レ」である。ヴァイオリンソナタ第一番に関する文書では、しばしば「3つのD」が引用される。「雨の歌」の通称の由来になった歌曲「雨の歌」op59-3の冒頭が「3つのD」で開始されるからだ。
その旋律を第三楽章に据え付けた。
- 8分音符+16分休符+16分音符+付点四分音符
この形のことを「3つのD」と称している。「レッレレー」だ。この「レッレレー」は、音価を変えて第一楽章の冒頭ヴァイオリンの歌いだしにも投影されている。
- 4分音符+8分休符+8分音符+付点四分音符
両楽章間で音価こそ違うが、聞こえとしては「レッレレー」で相違ない。
この系統の音のつながりは「D」音にとどまらず、他の音にも拡大される。一見無関係に見える第2楽章にも
- 8分音符+16分休符+16分音符+付点四分音符
という形で出現する。ピアノが和音の塊として提示するが、リズムとしては間違いなく「レッレレー」の系統だ。
楽曲全体に満遍なくばらまかれている。
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