音名違い
ヴァイオリンソナタ第一番を性格付ける「Drei D」すなわち「レッレレー」の全曲中の分布を調査し、一昨日記事でその結果を公開し、昨日の記事ではその考察を試みた。考察する過程で、「レッレレー」が「ミッミミー」だったり「ソッソソー」に変わっているケースが少なからずあることに気付いた。
これも調査の範囲とすることで、「レッレレー」への理解が深まると考えた。収集の定義は以下の通り設定した。
- 4分音符+8分休符+8分音符+付点4分音符(最後だけは別の音価を認める)
- 8分音符+16分休符+16分音符+付点4分音符(最後だけは別の音価を認める)
- 「D」以外の」音でもよい。
- 当該3音が途中で変化しない。
以下に結果を公表する。
<C> 0回 「ドッドドー」
存在しない。全楽章を通じて一度もない。
<Cis> 1回
- 1楽章 32小節目ピアノ右手に1回だけ。
<Des> 3回
- 1楽章 28小節目ピアノ右手 31小節目ヴァイオリン
- 3楽章 117小節目ヴァイオリン
<D>本来の形 33回。
- 1楽章 ヴァイオリンに8回、ピアノ右手に2回、ピアノ左手に2回
- 2楽章 全く出現せず
- 3楽章 ヴァイオリンに3回、ピアノ右手に5回、ピアノ左手に13回
<Es> 5回
- 1楽章 ヴァイオリンとピアノ右手に各1回
- 3楽章 ヴァイオリン、ピアノ左右に各1回
<E> 8回
- 1楽章 ヴァイオリンに4回、ピアノ右手に2回、ピアノ左手に1回
- 3楽章 159小節目ヴァイオリンに1回だけ。
<F> 4回
- 1楽章 ヴァイオリンとピアノ右手に各1回。
- 3楽章 ヴァイオリンに2回。
<Fis> 3回
- 1楽章 ヴァイオリンとピアノ左手に1回。
- 2楽章 32小節目ピアノ左手に1回。
<G> 10回
- 1楽章 ヴァイオリンに4回、ピアノ左右に各1回。
- 3楽章 ヴァイオリンに4回。
<As> 1回
- 1楽章 102小節目ヴァイオリンに1回だけ。
<A> 4回
- 1楽章 ヴァイオリンに2回。
- 3楽章 ヴァイオリンとピアノ右手に各1回
<B> 2回
- 1楽章 105小節目ヴァイオリンに1回
- 3楽章 129小節目ヴァイオリンに1回
<H> 3回
- 1楽章 ヴァイオリンとピアノ右手に各1回
- 3楽章 ピアノ右手に1回だけ。
全部で77回だ。「C」が全くないこと。第二楽章には「Fis」で一回あるだけでその他はゼロだ。両端楽章の主音「G」よりも、属音「D」の方が3倍以上多いことがわかる。総数77回のうち「D」が43%を占める。
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