到達音遷移型
ヴァイオリンソナタ第1番を特徴付ける「レッレレー」の音型が、第一楽章終末も近い227小節目で、崩されていると述べた。ここがストーリー展開上のポイントだと書いた。「レッレファー」だ。これも重要な要素と位置付けて「到達音遷移型」と命名して、全曲中の分布を調査した。
<第一楽章>
- 098小節 ピアノ左手 Es→As
- 227小節 ヴァイオリン D→F
<第二楽章>
なし。
<第三楽章>
- 004小節 ヴァイオリン D→F
- 005小節 ヴァイオリン D→H
- 005小節 ヴァイオリン D→F
- 006小節 ヴァイオリン D→H
- 006小節 ヴァイオリン D→F
- 017小節 ヴァイオリン C→Es
- 018小節 ヴァイオリン C→A
- 018小節 ヴァイオリン C→Es
- 019小節 ヴァイオリン C→A
- 019小節 ヴァイオリン B→D
- 064小節 ヴァイオリン D→F
- 065小節 ヴァイオリン D→H
- 065小節 ヴァイオリン D→F
- 066小節 ヴァイオリン D→H
- 066小節 ヴァイオリン D→F
- 077小節 ヴァイオリン C→Es
- 078小節 ヴァイオリン C→A
- 078小節 ヴァイオリン C→Es
- 079小節 ヴァイオリン C→A
- 080小節 ヴァイオリン B→D
- 114小節 ヴァイオリン Es→E
- 115小節 ヴァイオリン E→Eis
- 118小節 ヴァイオリン Des→D
- 119小節 ヴァイオリン D→Es
以上26箇所。
第一楽章227小節目の重要性は既に述べた。98小節目も大変興味深い。主題が変イ長調で回想されるのを準備する4度上行だ。ピアノでの出番はたった1箇所だ。残り25箇所はヴァイオリンに集中し、うち24箇所は第三楽章になる。だから第一楽章で唯一の227小節目が目立つ。ここで示された「レッレファー」は、実は実は第3楽章4小節目で現れて以降、中心となる楽想だ。90小節目までの出番は全て第一主題第二句を構成する要素になっている。最後の4回114小節目以降の半音進行もまた味わい深い。
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