ピアノに光を
人によっては新しくもなんともないのかもしれない。「ヴァイオリンソナタ」という通称につれられて、ついヴァイオリンに力点を置いて聞いてしまう。ヴァイオリンがきれいな旋律を担当し、ピアノが伴奏に徹するような作品だったらそれでも何ら問題はないのだが、ブラームスの場合は事情が違う。両者対等がうたわれているから、ピアノにも同等の注意を払いながら聞きたい。
ところが、全曲を通じてこれを意識するのが難しい。気が付くとヴァイオリンを聴いてしまっている。楽譜を手元において、見ながら聞くと少しは効果がある。ピアノのパートだけに集中しているくらいでちょうどいい感じがする。慣れるとピアノの音の並びに集中していても、ヴァイオリンの音がちょうどよくブレンドされるようになる。
何度も聞いた作品に別の光が当たるから、相当お得である。
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