ブラームス神社

  • 道中安全祈願

おみくじ

  • テンプレート改訂しました

独逸日記

  • ドイツ鉄道博物館のおみやげ
    2012年3月28日から4月4日まで、次女の高校オケのドイツ公演を長男と追いかけた珍道中の記録。厳選写真で振り返る。

ビアライゼ

  • Schlenkerla
    自分で買い求めて賞味したビールの写真。ドイツとオーストリアの製品だけを厳選して掲載する。

カテゴリー

« 無言ドルチェ | トップページ | ラズモフスキー »

2015年11月21日 (土)

移調の狙い

弦楽五重奏曲第1番ヘ長調op88の話題。第二楽章冒頭には、1854年春にデュッセルドルフで作曲された「2つのサラバンドWoW5-1」イ短調が引用されている。同楽章の中間部には1855年春に作曲された「2つのガヴォット」WoW3-2」イ長調が出現する。弦楽五重奏曲への採用にあたり、ガヴォットの方は原調のままのイ長調なのに対し、冒頭を飾るサラバンドは、イ短調から嬰ハ短調に移調されている。

ヘ長調の第一楽章に嬰ハ短調の緩徐楽章が続くのは、斬新だ。しかも冒頭のE音にいきなりシャープ付着しているので、事実上嬰ハ長調が鳴る。ここいらへんの調性採用の感覚は凡人の理解する域を超えている。そのままイ短調(事実上イ長調)でも不自然ではないのに、わざわざ嬰ハ長調を採用するとは。

出版に立ち至らなかった若い頃の作品を、容赦なく廃棄するブラームスなのだが、このサラバンドは美しい例外を形成している。特に後半9小節目の美しさは、身を引きちぎられる思いだ。弦楽五重奏でなく、原曲のピアノ独奏で聴くのも味わいが深い。

20150204_193720_2

« 無言ドルチェ | トップページ | ラズモフスキー »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 移調の狙い:

« 無言ドルチェ | トップページ | ラズモフスキー »

フォト

ブラームスの辞書写真集

  • Img_0012
    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
2025年4月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
無料ブログはココログ