似ているうちか
歌曲「メロディのように」op105-1を論ずる文章は、その冒頭の旋律について高い確率で、ヴァイオリンソナタ第2番第一楽章第二主題との類似について言及する。
冒頭の音8個、移動ドで「ミソドファミレドシ」の部分だ。確かにヴァイオリンソナタ第2番第一楽章第二主題は、「(ソファ)ミソドファミレドシ」になっている。アウフタクト「ソファ」を除外した音8つは、歌曲「メロディーのように」と一致する。
そりゃまあ、そう聞こえる人もいるには違いないが、解説書まで含めて猫も杓子もということになると、騒ぎ過ぎだと感じる。
- 調が違う。歌曲はイ長調だ。ソナタのほうは調号こそイ長調だが、第二主題はホ長調だ。
- 音価も違う。歌曲は四分音符主体だが、ソナタは付点四分音符と八分音符の混合。
- アウフタクト。歌曲側には無いアウフタクトがソナタに存在する。
似ている話を無理やり強調しなくても、どちらも十分美しい。
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