逆は真にあらずか
著名なヴァイオリニストが、しばしば楽器をヴィオラに持ち替えて妙技を披露してくれることがある。ズーカマン、ミンツ、スークなどの面々はブラームスのヴィオラソナタも録音してくれている。彼らはけしてチェロソナタには手を出さない。ヴィオラまでと心に決めているのだろう。ヴァイオリンとヴィオラの奏法は重なる部分が多いのだ。ヴァイオリンの名人ならばそこそこヴィオラも弾きこなすものだ。
しからば問う。その逆はと。
バシュメット、カシュカシュアン、今井信子、ウォルフラム・クリフト、プリムローズ、ジュランナ、トンブラーたちはヴァイオリンを弾くのだろうか?バシュメットの「雨の歌」を聴きたいという願いはかなうのだろうか?ヴィオラでなら弾いてのけるだろう。そうではなくてヴァイオリンに持ち替えて弾くことはないのだろうか?
現代を代表するヴィオラ奏者のバシュメットはしばしば演奏会でヴァイオリンを弾いてみせるそうだ。ブラームスのヴィオラソナタのヴァイオリン版をバシュメットで聴いてみたいものだ。あれだけヴィオラを弾くのだから、耳を覆うほどの惨状ということはあるまい。
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