よく見りゃカノン
クラリネット三重奏曲の第4楽章にブラームスらしいカノンがある。冒頭チェロが第一主題を放つ。クラリネットは休みでピアノが伴奏に回る。あまりにチェロのソロがカッコいいので、CDを繰り返し聴いていても気付かないが、ピアノの右手が8分音符2個分遅れてチェロの主題そのものを模倣する。チェロは「アウフタクト→拍頭」という具合に決然と進行するが、おいかけるピアノは拍頭に休符を据えた後打ちになっているから、楽譜を見てもわかりにくい。音形が違う上に、チェロにはハ音記号が混入しているから楽譜を見ながらCDを聴いていてもボンヤリやり過ごしてしまいがちだ。
楽譜を見ながら繰り返しCDを聴いていても判りにくいようなカノンを、楽章冒頭の主題提示にもぐりこませるとは念が入っている。
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