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2016年2月29日 (月)

うるう年三回目

2005年5月30日のブログ開設の日から3度目のうるう年。一日も記事の更新を欠かさずにここまで来たから、また今回もこれに言及出来る。

嬉しいニュースは重なるもので、昨日の午前11時12分頃、ブログ開設以来の通算アクセス数が75万に到達した。10年と9ヶ月での75万のアクセスを頂戴したことになる。現在のペースが続けば、100万アクセスは2019年内に到達する見込みである。

さてさて、つまり明日から3月だ。

2016年2月28日 (日)

パリは燃えていない

長女が、ロンドンパリ6泊8日の卒業旅行から帰国した。

初めての海外ということもあり、土産話が特盛。好奇心旺盛の彼女の着眼にはいちいち驚かされる。

昨今の報道を聞くに、パリにはいささか参っていたが、ケロリと戻ってきた。パリは思っていたより平穏だったと言っている。

2016年2月27日 (土)

最大の読み手

大切なことなのに忘れがちで、意識していないと抜けてしまうことは少なくない。今日もそうした話の一つだ。

ブログ「ブラームスの辞書」の「最大の読み手」は自分だ。きっと私のブログに限ったことではあるまい。少なくないブログにおいて最大の読み手は管理人自身だと思う。

記事の下書きの段階では、何度も読み直す。公開ボタンを押せば必ず一度は記事の最初から終わりまで読む。今まで全ての記事をそうしてきた。公開された記事の最初の読み手はいつも自分で、おそらく繰り返し読むという点でも自分が最大のユーザーである。自分の文章を読んで幻滅したり、他のブログと比較して劣等感にさらされ続けたら、ブログを継続することは難しい。

ありきたりな結論だが、ブログが続いているということは、自分のブログが好きだということだ。であればこそ、2033年5月7日までの継続を意図出来る。自分が読みたい記事を連ねることこそ、長続きの秘訣である。

2016年2月26日 (金)

ホームフィールドアドヴァンテージ

欧米のプロスポーツにおいて、クラブチームと本拠地の絆は深くて太い。サッカーでいう「ホーム・アンド・アウェイ」だ。かつての日本のように東京ジャイアンツのファンがどこにいってもたくさんいるという状況は例外なのだ。

公平であるはずの審判のジャッジさえも左右する。ホームチーム有利の判定は「ホームタウンディシシジョン」と呼ばれ公然化している。ホームタウンディシジョンの解消などということは野暮でさえある。公平性はむしろホームアンドアウェイで同じ試合数をこなすことで保たれている節がある。

サッカーであれ、野球であれ、バスケットボールであれ、アイスホッケーであれ、はたまたアメリカンフットボールであれ、大抵のスポーツの規定では、より強いチームが先に、あるいは多くホームフィールドで戦うことが保証されている。世に言う「ホームフィールドアドヴァンテージ」だ。ホームフィールドはチームにとってゆりかごなのである。

ブログ「ブラームスの辞書」は今や私のホームフィールドである。外でさらされるストレスを癒す場所だ。文字通りの意味で家庭はホームであるが、それは家族という単位が基本だ。ブログはもっとパーソナルな意味でのホームだ。秘密の隠れ家に近い。隠れ家の守り神にブラームスをいただき、傷ついたり疲れたりすればそこでリセットもする。明日もまたがんばるためのゆりかごなのだ。

だからいくらでも続けてゆける。

2016年2月25日 (木)

アダージェットな音

次女の後輩たちが挑むマーラーのアダージェットを聴く機会に恵まれた。

弦楽5部とハープだけという編成。管楽器はお休み。本来第五交響曲の第4楽章なのだが、これだけを独立して演奏する。

そもそも私が大学4年の冬、就職を前にした最後の定期演奏会のメインプログラムがマーラーの第5交響曲だった。アンコールにその第4楽章を演奏したから、私の大学オケ生活最後に演奏した曲がこのアダージェットだったという話は以前にもしておいた。さらに付け加えるならその演奏会では、亡き妻が1年生でセカンドヴァイオリンを弾いていた。大学オケ時代に共演したのはこの時だけだった。

今、当時の録音を聴いても感動的なアダージェットだ。

そのアダージェットに次女の後輩たちが挑む。5月のスペコンまで練り上げてゆくのだが、このたび聴くことが出来た。

泣きそうだった。なんだか泣けた。中間部ボロボロにされた。

いやあ、むいている。あの子たちのオケにピッタリ。「カバレリアルスティカーナ」間奏曲の上位互換みたいな感じ。弦楽器とハープが弱音の中、ニュアンス1個の出し入れを繰り返す。イタリア奇想曲では、彼女たちの武器になる頼れる木管や、決定力あふれる打楽器たちの力を借りることなく、マーラーの意図を音にせねばならない。管楽器や打楽器のアシストに頼らず、弦楽器の表現力だけが頼り。フレージング、ダイナミクス配置、ボウイング、ヴィブラート、音色の総動員が求められる。

スペコンまであと3ヶ月弱。その間の積み上げを期待していくつか。鍵を握るのはチェロだ。高い音域で行きつ戻りつの旋律の処理。音色。絶対に痩せてはならぬ場所でのメリハリ。

休んでる管楽器。よかった。よかったよ。休み方がよかった。苦楽を共にする弦楽器たちの大見せ場。はたから見ても難解な曲だとわかるのだが、弦楽器の後方に控える出番のない管楽器奏者たちの表情が、本当にきれいだった。心配そうに見つめるでもない。「やってくれるはず」という信頼感がこもった表情。それが演奏の緊張感維持への立派な貢献になっていた。

おそるべし10代のマーラー。

2016年2月24日 (水)

プロ級

持っているスキルがプロフェッショナル相当であることを言う。アマチュアに対して用いられることによって誉め言葉の機能を発揮する。「上手ですね」の意味だ。「プロ顔負け」もほぼ同義と見ていい。

ところが、この言葉プロ相手に使うと大変失礼になってしまう。会話の相手がプロフェッショナルだということが判っている場合、およそまっとうな見識の持ち主は一時的に語彙からはずす。何気なく悪意無く使われてはいるが、無意識下で制御されていると感じる。使う側はプロかアマチュアかは問われぬが、使われる側はアマチュアに限られる。

「上手ですね」という単純な称賛の裏には、「プロじゃないわね」あるいは「アマチュアにしては」の意識が見え隠れする。

そういえば「ブラームスの辞書」も時々「プロ級」と言われる。妙に辻褄が合っている。

2016年2月23日 (火)

辞書の用途

一般に辞書は、わからない言葉の意味を調べるために用いられる。

我が「ブラームスの辞書」も「辞書」を名乗っている以上、意味調べの用途を想定している。単語や語句をアルファベット順に並べるという体裁も一般の音楽用語辞典と何等変わるところはない。筆者個人の意見を遠慮無く盛り込んでいるから、エッセイの要素も混入しているものの辞書として使うに差し障りはあるまい。

これとは別に著者である私が考える用途を列挙してみる。

  1. 譜読みの友 実際にブラームス作品を演奏しようと試みる演奏者が、演奏に先立って行う譜読みでのガイドブック。
  2. 鑑賞の友 作品を聴いて、興味深く感じた箇所の楽譜の成り立ちを探求しようと考える人々とってのガイドブック。
  3. ブラームスネタでレポートを書きたいと志す人にとってのネタの集大成。
  4. ブラームスネタで一晩飲み明かしたいと考える人々にとってのネタ帳。
  5. ブラームス好きのための子守歌。
  6. 集中講義「ブラームス学」のテキスト。
  7. 「ブラームスのめり込み度」を計るものさし。
  8. 重り。
  9. ブログ「ブラームスの辞書」の記事のネタ本。
  10. 私の名刺代わり。
  11. 子供たちへの贈り物。
  12. 枕。

なかなか多機能である。私なら10000円でも買う。

2016年2月22日 (月)

ワールド

中学生ならば「world」と綴って「世界」と答えれば丸を貰える。大学生でも社会人でもきっと誤りとはされないだろう。しかしカタカナで「ワールド」と書くと別のニュアンスが生まれているとも感じる。

特定個人の強烈なキャラクターにより、良くも悪くも他と明確に区別出来る小集団・小領域が形成されている場合、「○○ワールド」と称されることがある。「○○」に入るのは特定の個人名だ。小宇宙というニュアンスに近い。その特定の個人にカリスマ性が宿っていることも少なくない。

古今の大作曲家は皆ワールドを持っていると思われる。ワールドを持つことが大作曲家の定義かとも錯覚してしまう。たとえば同じピアノという楽器を用いながら誰にも真似の出来ない作品を書き、それらが一聴して彼の作品と解る体臭を持ち、結果作品群としても揺るがぬ個性を発揮する。ショパンしかり、バッハしかり、ベートーヴェンしかりだ。ピアノがオケに変わってもオペラに変わっても同じ事だ。

無論ブラームスにもワールドがある。

私はそのワールドにとことん惚れ込んだ人間だ。そして私の著書「ブラームスの辞書」はブラームスワールドのガイドブックでありたいと心から願うものだ。さらにこのブログは4000に近い記事を積み上げてもなお発信をやめない。

いつの日か「アルトのパパワールド」になることを夢見ている。

2016年2月21日 (日)

時候の挨拶

手紙の冒頭に置かれる季節感を盛り込んだ定型の挨拶文のことだ。文例集なども出回っている。温暖化をはじめとする異常気象はともかく、この時期はこんなものという経験の蓄積が反映している。古来日本人は季節の移ろいを愛でてきた。たまによこす手紙にタイムリーな季節感の反映がないことは野暮とされてきた。徒然草にも、大雪の朝に届いた手紙の中に、その雪への言及がないことを興ざめとする件がある。

そもそもブラームスを含む欧州のクラシック作品に日本的な季節感を過剰に期待してはいけないのだ。ヴィヴァルディが珍重されるのは、例外だからなのだ。

ひるがえって我がブログ「ブラームスの辞書」では、記事の中に時候の挨拶が掲げられることは少ない。限られた文字数の中で思いのタケを盛り込むことに特化した結果、時候の挨拶が省略の憂き目に遭っているのだ。

どうだろう。毎日更新の記事が毎回時候の挨拶で始まったら重たくなるような気がしている。逆に記事の枯渇を時候の挨拶でごまかすようになったら潮時だと思っている。

2016年2月20日 (土)

記事の周期

2005年5月にブログ「ブラームスの辞書」を立ち上げてからしばらく、約3ケ月くらいの間、ブログへのアクセスは数える程だった。今でこそ、週間2000アクセスも珍しくなくなったが、当時は週間50アクセスあたりをうろついていた。それでも毎日記事は更新していたということは、最初のころの100本くらいまでの記事は、ほとんど読まれていないと考えてよい。

初めての自費出版本「ブラームスの辞書」の宣伝のために立ち上げたので、最初の方にこそ熱心なPRの記事が集中しているのに、あまり読まれていないのは皮肉なことである。

だからという訳ではないのだが、実は記事の内容は少しずつ繰り返されている。カテゴリー「出版の周辺」を背負った記事にその傾向が強い。「ブラームスの辞書」の執筆の意図や見所を盛り込んだ記事は、あくまでもあからさまにならぬように気を遣いながら内容のリプレースをしている。毎日更新を継続したい一心の苦し紛れや、記事の枯渇を補う横着は、厳に慎みながら、著者としてアピールしたいポイントを打ち出している。

記事のバックナンバーの検索がホームページほど楽ではないからこういう配慮も必要だと思っている。

2016年2月19日 (金)

僭越

「僭越」(せんえつ)を辞書で調べる。地位や立場を越えて出過ぎたことをすることくらいの意味だ。何も疑問はない。

ところが、この「僭越」という言葉が使われるシチュエーションを思い浮かべると面白い。どうも私の周りでは「僭越ながら」と前置きして結局言いたいことを言ってしまったり、やりたいことをやってしまった状況で使われることが多いと感じる。「僭越なので差し控えた」というケースは見かけない。本来の意味と逆の状況で使われている感じがする。本当は「僭越」とは思っていないケースが混入しているのではないかとも思う。「ながら」のような逆接を意味する言葉とセットで用いられ易い気がしている。

いささか唐突だが、「無敵艦隊」を思い出した。スペインの無敵艦隊だ。日本で世界の歴史を学んでいる限り「無敵艦隊」という言葉は英国のネルソン提督に負けた記述しか現れない。「無敵」と言いながら負けた記述ばかりを読まされているのだ。日本で流布する歴史の教科書では「出ると負け」の艦隊なのに無敵とはこれいかにである。無敵と言われるほど強かった事実の言及がないために、ネルソン提督の功績もいささか色褪せて見える。英国の台頭を象徴する事件なのだろうが、もう少し無敵の由来に言及した方がいいのではなかろうか?

出ると負けの無敵艦隊は「僭越」と前置きしながら結局言っちまうケースが多いのと似ている。

素人考えを文字にしてしまっているという意味では、私の本やブログも「僭越」である。いちいち僭越ながらと断っていてはキリがない。駄文本体に加えて中途半端な謙遜を毎回読むのは大変だと思えばこその措置である。

2016年2月18日 (木)

オリジナル当て

ハンガリア舞曲の大ヒットが、裁判沙汰を引き起こしたことはよく知られている。。1869年刊行の第1集だ。ブラームス作曲とせずに編曲としていたことが幸いしてブラームス勝訴となった。

1880年第2集11曲の刊行にあたり、ブラームスはさらに用心深くなった。ハンガリージプシーの旋律の編曲というコンセプトは不動だが、いくつかオリジナルを混ぜたというのだ。つまり編曲を編曲と言うだけにとどまらず、自作にまで編曲のレッテルを貼ったということだ。海賊版の出現に備えてのことらしい。

ブラームスの語法にもハンガリーの語法にも精通していたヨアヒムは、この裁判沙汰自体を子供じみていると感じていたらしいが、ブラームスが忍び込ませたオリジナルについて興味深い指摘をしている。

ヨアヒムによれば第2集の中の第11番、第14番、第16番がブラームスのオリジナルだとしている。これら以外の曲については原曲を知っていたからかもしれない。

2016年2月17日 (水)

もっとハンガリア舞曲

有名な5番を含む第一集は1869年の出版。これが爆発的に売れ、ブラームスの名はイギリスにまで広まった。1870年代の初頭において、イギリスでもブラームスのハンガリア舞曲は多くの家庭にまで浸透していたことがいくつかの証言から確実視されている。ドイツレクイエムは1868年の発表だから、その翌年現在、ブラームスは「ハンガリア舞曲とレクイエム」の作曲家だったと言ってもよさそうだ。交響曲はまだ一つも世に出ていない。

オリジナルはピアノ連弾用だが、人気を物語ってか様々な形態に編曲されている。

  1. ピアノ連弾用。オリジナル。初演はブラームスとクララの演奏だった。
  2. ピアノ独奏用。10番まではブラームス本人の編曲が残っている。キーシンの演奏なんかとても2本の腕で弾かれているとは思えない。「神の手」の助けを借りてやしないか心配である。そういえば何だかマラドーナに似ている。
  3. 2台のピアノ用。情けない話だが、連弾用と区別がつかない。
  4. 管弦楽用。1、3、10がブラームス本人により編曲されている。結局全21曲が誰かしらの手で編曲されている。17~21番にはドヴォルザークの編曲もある。
  5. 弦楽合奏用。レオン・ベルニエという人の編曲だが、なかなか良い。
  6. ヴァイオリン&ピアノ用。ご存知ヨアヒムの編曲だ。オリジナルでは嬰ヘ短調の5番がト短調に編曲されている。
  7. チェロ&ピアノ用。アルフレッド・ピアッティというイタリアのチェリストの編曲。1822年生まれだというからブラームスより年長だ。1846年以降ロンドンに住んでヨアヒムと親交があったという。エンドピン無しのチェロを愛用していたそうだ。ヨアヒム四重奏団のチェリスト・ハウスマンの師匠にもあたる人で、ブラームス作品の優れた解釈者だったらしい。有名な5番がヘ短調に移調されているのを筆頭に、ほとんどが移調されている。
  8. ジプシーアンサンブル ヴァイオリン、ピアノ、コントラバス、ツィンバロン。惜しいかな全曲ではない。
  9. ハープとピアノ
  10. ギター独奏

我が家にCDがあるのは上記の通り。ブラスバンド用もきっとあるだろう。木管五重奏用やホルンアンサンブル用、金管アンサンブル用だって探せばありそうだ。

ある意味でブラームスを代表する作品であることは間違いない。

2016年2月16日 (火)

ハープもあったか

姉妹とおぼしきデュオによるハンガリア舞曲。なんとハープとピアノだ。いやはや好奇心を刺激してくれる。聴いてみた印象は、「ハープの助奏付ハンガリア舞曲」という感じ。大枠はピアノでハープがぴりりとスパイスを利かせる感じ。

2016年2月15日 (月)

ギターでハンガリア舞曲

ご機嫌なCD。ハンガリア舞曲全21曲をギターで演奏している。ヨゼフなんちゃらというハンガリーのギタリストが編曲して自ら演奏している。名前をどう読むか見当もつかないスペルだ。ギターというのも弾かれてみればなんだかジプシーっぽいと感じるから不思議だ。

長い伸ばしには対応できないから、それ相応の工夫がされている。

2016年2月14日 (日)

ジプシーアンサンブル

ご機嫌なCD手に入れた。

ラオシュ・ホルバート2世率いるハンガリージプシーアンサンブルが演奏するハンガリア舞曲だ。ハンガリア舞曲の原型を垣間見る思いがする。編成はヴァイオリン、ツィンバロン、ピアノ、コントラバスだ。ジプシー四重奏の基本編成なのだと思う。解説書にも興味深い話満載だ。超絶技巧ヴァイオリンはハンガリージプシーのお家芸で、名人の系譜は16世紀にまで遡るらしい。そしてその系譜の最後に位置するのがブラームスの相棒、エドゥワルド・レーメニだという。ブラームスはレーメニから正当なハンガリージプシーの語法を吸収したと考えられる。

これをもとにブラームスがピアノ4手用に編曲したのが名高いハンガリア舞曲なのだと思い知らされた。誤解を恐れずに言えばアクが抜かれている感じだ。市民社会の台頭とともに一般家庭に急速に普及したピアノを念頭にと申しては刺激が無さ過ぎる。彼等の演奏に比べればヨアヒムが編曲したヴァイオリン&ピアノ版もおとなしいものだ。

1番、2番、4番、5番、6番それに17番の6曲だけというのが残念だ。ドヴォルザークのスラブ舞曲10番が入っているのがご愛敬でもある。この編成でピアノ四重奏第1番のフィナーレが聞いてみたい。

2016年2月13日 (土)

旅のあと

昨日をもって長きにわたったブログ開設10周年企画「室内楽ツアー」が終わった。開幕は10周年記念日を19日後に控えた2015年5月11日だった。あれからほぼ9か月。記事の本数は252本を数えた。いやはや本当に楽しかった。「ブログ開設10周年記念企画だから」などど振りかぶって立ち上げる以上、そこそこ記事が堆積しないと様にならないから、まあこの本数に届いてほっとしている。

長らくのご乗車お疲れ様でした。

既にお気づきの事と思うが、私はブラームスが大好きである。

2016年2月12日 (金)

室内楽ツアー総集編

室内楽ツアー総集編。ブログ「ブラームスの辞書」開設10周年記念企画が昨日終わった。本日はその総集編だ。

  1. 2015年05月11日 室内楽ツアー
  2. 2015年05月12日 カテゴリー付与
  3. 2015年05月13日 緩める
  4. 2015年05月14日 幸せな人たち
  5. 2015年05月15日 室内楽の初演
  6. 2015年05月16日 初演観察
  7. 2015年05月17日 室内楽の出版
  8. 2015年05月18日 初版の所見
  9. 2015年05月19日 ロ短調四重奏曲
  10. 2015年05月20日 イ短調ヴァイオリンソナタ
  11. 2015年05月21日 連歌
  12. 2015年05月22日 俳諧連歌の発句 FAEソナタ↓
  13. 2015年05月23日 FAEな人たち
  14. 2015年05月24日 ただただ可憐
  15. 2015年05月25日 ヨアヒムの見立て
  16. 2015年05月26日 乗り心地
  17. 2015年05月27日 ロ調へのこだわり ピアノ三重奏曲第1番↓
  18. 2015年05月28日 ロ長調
  19. 2015年05月29日 Sinfonia in B
  20. 2015年05月30日 ブログ開設10周年
  21. 2015年05月31日 ツアコンの資格
  22. 2015年06月01日 麻雀のBGM 弦楽六重奏曲第1番↓
  23. 2015年06月02日 急ブレーキ
  24. 2015年06月03日 装飾音符
  25. 2015年06月04日 粒より
  26. 2015年06月05日 下心六重奏団
  27. 2015年06月07日 ブラーム数列 
  28. 2015年06月08日 ボケ防止エクセサイズ
  29. 2015年06月09日 連弾ピアノトリオ
  30. 2015年06月10日 様式法則に対する悪行 ピアノ四重奏曲第1番↓
  31. 2015年06月11日  何が異質か
  32. 2015年06月12日 un poco crescendo
  33. 2015年06月13日 3連続3拍子
  34. 2015年06月14日 どこがジプシー風
  35. 2015年06月15日 電子ピアノの限界
  36. 2015年06月17日 ポコポコ ピアノ四重奏曲第2番↓
  37. 2015年06月18日 p poco espressivo
  38. 2015年06月19日  ヘルメスベルガー四重奏団
  39. 2015年06月20日 英国への伝播
  40. 2015年06月21日 無残な解説
  41. 2015年06月23日 我慢出来ない ピアノ五重奏曲↓
  42. 2015年06月24日 ふくだもなの余韻
  43. 2015年06月25日 今更の言い訳
  44. 2015年06月26日 10代のカルテット
  45. 2015年06月27日 poco stringendo
  46. 2015年06月28日 ヘッセン王女
  47. 2015年06月29日 弦楽五重奏曲ヘ短調
  48. 2015年06月30日 序奏考
  49. 2015年07月01日 3つ以内
  50. 2015年07月02日 ヨハネスの使い 弦楽六重奏曲第2番↓
  51. 2015年07月03日 グリムの法則
  52. 2015年07月04日 城門のそばの家
  53. 2015年07月05日 生誕180周年
  54. 2015年07月06日 前倒し開幕
  55. 2015年07月07日 肩透かし
  56. 2015年07月08日 mf と poco f
  57. 2015年07月09日 主題無き変奏曲
  58. 2015年07月11日 最長の半音進行
  59. 2015年07月12日 ジーク
  60. 2015年07月13日 メンデルスゾーン五重奏団
  61. 2015年07月14日 第一クオーター
  62. 2015年07月17日 長い坂道 チェロソナタ第1番↓
  63. 2015年07月18日 短調まみれ
  64. 2015年07月19日 メヌエットのテンポ
  65. 2015年07月20日 意外なはまりっぷり
  66. 2015年07月21日 ワルツの室内楽版
  67. 2015年07月22日 こけら落とし ホルン三重奏曲↓
  68. 2015年07月23日 聴衆の無関心
  69. 2015年07月24日 讃歌
  70. 2015年07月25日 Blechbrastche
  71. 2015年07月26日 名ばかりのEsdur
  72. 2015年07月28日 ジュピタースケルツォ
  73. 2015年07月29日 疑似ユニゾン
  74. 2015年07月30日 「mesto」が似合う調
  75. 2015年07月31日 種明かしの瞬間
  76. 2015年08月01日 ファウスト
  77. 2015年08月03日 ハ超の刻印 弦楽四重奏曲第1番↓
  78. 2015年08月04日 ロマンツェ
  79. 2015年08月05日 工事完了報告
  80. 2015年08月06日 作品番号の相乗り
  81. 2015年08月07日 弦楽四重奏曲第2番 ↓
  82. 2015年08月08日 やらかし話
  83. 2015年08月09日 逆転の3度進行
  84. 2015年08月10日 リズム感覚試験
  85. 2015年08月11日 クァルテットの楽しみ
  86. 2015年08月12日 アマチュアの視点から
  87. 2015年08月13日 ハイメランさんの見立てから
  88. 2015年08月15日 ヴィオラ最高音 ピアノ四重奏曲第3番↓
  89. 2015年08月16日 長いハミング
  90. 2015年08月17日 連続する長三度下降
  91. 2015年08月18日 はしゃぎすぎを戒める
  92. 2015年08月19日 郊迎
  93. 2015年08月20日 フェスティヴァル四重奏団
  94. 2015年08月21日 グアルネリ四重奏団
  95. 2015年08月22日 ヴィオラ弾きの祭典
  96. 2015年08月23日 ドキドキの告白
  97. 2015年08月24日 ラスカー 弦楽四重奏曲第3番↓
  98. 2015年08月25日 Allegro不在のソナタ
  99. 2015年08月26日 1:3:5
  100. 2015年08月27日 弱音器
  101. 2015年08月28日 光合成
  102. 2015年08月29日 天孫降臨
  103. 2015年08月30日 前半戦MVP
  104. 2015年09月01日 ハーフタイムショウ ハーフタイム↓
  105. 2015年09月02日 平均律室内楽楽章
  106. 2015年09月03日 校歌
  107. 2015年09月04日 山下り第一走者 ヴァイオリンソナタ第1番↓
  108. 2015年09月08日 名づけの根拠
  109. 2015年09月09日 「con anima」の処理
  110. 2015年09月10日 測定の手順
  111. 2015年09月11日 未完の約束
  112. 2015年09月12日 オプショナルツアー
  113. 2015年09月13日 クララの評価
  114. 2015年09月14日 結果公表
  115. 2015年09月15日 「con anima」の考察①
  116. 2015年09月16日 「con anima」の考察②
  117. 2015年09月17日 ラップタイム
  118. 2015年09月18日 29小節目
  119. 2015年09月19日 パターンの分類
  120. 2015年09月20日 フレッシュさんのテンポ
  121. 2015年09月21日 順次下降
  122. 2015年09月22日 演奏時間
  123. 2015年09月24日 コンマスの系譜
  124. 2015年09月25日 歳とともに
  125. 2015年09月26日 クレーメルさんの事情
  126. 2015年09月27日 本能の命じるまま
  127. 2015年09月28日 ヂュメイさんの場合
  128. 2015年09月29日 師弟関係
  129. 2015年09月30日 テンポは世につれか
  130. 2015年10月01日 楽しい作業
  131. 2015年10月02日 再現の妙
  132. 2015年10月03日 分類パターン314
  133. 2015年10月04日 お茶目ないたずら
  134. 2015年10月05日 閾値
  135. 2015年10月06日 下降導音
  136. 2015年10月07日 直前練習
  137. 2015年10月08日 Drei D
  138. 2015年10月09日 分布調査
  139. 2015年10月10日 レッレレーの分布
  140. 2015年10月11日 レッレレーの考察
  141. 2015年10月12日 音名違い
  142. 2015年10月14日 227小節の衝撃
  143. 2015年10月15日 到達音遷移型
  144. 2015年10月16日 和音型レッレレー
  145. 2015年10月17日 フェイクもどき
  146. 2015年10月18日 生まれた国
  147. 2015年10月19日 相関なし
  148. 2015年10月20日 こんな偶然
  149. 2015年10月21日 タイムアタック
  150. 2015年10月22日 pp grazioso e teneramente
  151. 2015年10月23日  ピアニストの群像
  152. 2015年10月24日 ピアノに光を
  153. 2015年10月25日 オクターブの中身
  154. 2015年10月26日 圧縮
  155. 2015年10月27日 ナチュラルの代わり
  156. 2015年10月28日 イタリアンショック
  157. 2015年10月29日 雨の歌女子会
  158. 2015年10月30日 ヴィオラ版雨の歌
  159. 2015年10月31日 標題考
  160. 2015年11月01日 雨の気分
  161. 2015年11月02日 経過音
  162. 2015年11月03日 半音の効果
  163. 2015年11月04日 CDにこめる意図
  164. 2015年11月05日 室内楽菓子舗
  165. 2015年11月06日 それぞれの番号
  166. 2015年11月07日 歌曲の初演
  167. 2015年11月08日 切り上げ時
  168. 2015年11月09日 アンバランスの言い訳
  169. 2015年11月10日 
  170. 2015年11月11日 厄介なランク付け
  171. 2015年11月12日 「con anima」再考
  172. 2015年11月13日 根本的な疑問 
  173. 2015年11月14日 人騒がせな断言 ↓ピアノ三重奏曲第2番
  174. 2015年11月15日 最後のスケルツォ
  175. 2015年11月16日 ユニゾンの効果
  176. 2015年11月17日 減七の味付け
  177. 2015年11月18日 秋の深まり
  178. 2015年11月19日 元祖逆オクターブユニゾン ↓弦楽五重奏曲第1番
  179. 2015年11月20日 無言ドルチェ
  180. 2015年11月21日 転調の狙い
  181. 2015年11月22日 ラズモフスキー
  182. 2015年11月23日 知らぬが仏
  183. 2015年11月24日 記事配置のパズル
  184. 2015年11月27日 余白の調節
  185. 2015年11月28日 予行練習 ↓チェロソナタ第2番
  186. 2015年11月29日 筆耕者クプファー
  187. 2015年11月30日 ハウスマン
  188. 2015年12月01日 異例のpassionato
  189. 2015年12月02日 初演の舞台 
  190. 2015年12月03日 Brahms meets Jazz ↓ヴァイオリンソナタ第2番
  191. 2015年12月04日  Amabile
  192. 2015年12月05日 2番先頭
  193. 2015年12月06日 G線仕様
  194. 2015年12月08日 Vivace di piu
  195. 2015年12月09日  似ているうちか
  196. 2015年12月10日 頂点としての7小節
  197. 2015年12月11日 一番遅いプレスト ↓ピアノ三重奏曲第3番
  198. 2015年12月12日 三連室内楽
  199. 2015年12月13日 フーバイとポッパー
  200. 2015年12月14日 4分の7拍子
  201. 2015年12月15日 ツアー記事200本
  202. 2015年12月16日 第三クォーター
  203. 2015年12月17日 第二主題の狙い撃ち ↓ピアノ三重奏曲第1番改訂版
  204. 2015年12月18日 「a tempo」と「in tempo」の錯綜
  205. 2015年12月19日 個体識別の取り決め
  206. 2015年12月20日 厄介なmp 
  207. 2015年12月21日 ブダペスト ↓ヴァイオリンソナタ第3番
  208. 2015年12月23日 ハイフェッツさんのリスト
  209. 2015年12月24日 末尾8
  210. 2015年12月25日 molt p e sotto voce sempre
  211. 2015年12月26日 ニ短調ソナタ
  212. 2015年12月27日 卵の上を歩け
  213. 2015年12月28日 果たして変わり者か
  214. 2015年12月30日 ヌヴー
  215. 2015年12月31日 108
  216. 2016年01月01日 室内楽の楽器たち
  217. 2016年01月02日 打ち上げ ↓弦楽五重奏曲第2番
  218. 2016年01月03日 ロゼー四重奏団
  219. 2016年01月04日 創作力の衰え
  220. 2016年01月05日 晩年の創作
  221. 2016年01月06日 音強のバランス
  222. 2016年01月07日 3大弦楽四重奏団
  223. 2016年01月08日 究極の四重奏団
  224. 2016年01月09日 英国での評判
  225. 2016年01月12日 un poco f ↓クラリネットイ三重奏曲
  226. 2016年01月13日 よく見りゃカノン
  227. 2016年01月14日 24という数 
  228. 2016年01月15日 スランプの名残
  229. 2016年01月16日 乗り気薄3本柱
  230. 2016年01月17日 初演の曜日
  231. 2016年01月18日 卒業演奏 ↓クラリネット五重奏曲
  232. 2016年01月19日 ソロシンコペーション
  233. 2016年01月20日 Quasi sostenuto
  234. 2016年01月21日 不思議な音
  235. 2016年01月22日 クラ5をヴィオラで
  236. 2016年01月23日 ロ長調のG
  237. 2016年01月25日 リピートの戻り先
  238. 2016年01月26日 キュートな選曲
  239. 2016年01月27日 そりゃ聴きたい
  240. 2016年01月28日 逆は真にあらずか クラリネットソナタ第1番
  241. 2016年01月29日 ザビーネマイヤー 
  242. 2016年01月30日 録音の状況
  243. 2016年02月02日 和声の文脈
  244. 2016年02月03日 ルチアーノベリオ
  245. 2016年02月04日 在庫一掃
  246. 2016年02月05日  アルバムの曲順 ↓クラリネットソナタ第2番
  247. 2016年02月06日 三楽章の根拠
  248. 2016年02月07日 多機能楽章
  249. 2016年02月08日 室内楽の中の変奏曲
  250. 2016年02月10日  室内楽言及ランキング
  251. 2016年02月11日 室内楽史上的位置づけ
  252. 2016年02月12日 本日のこの記事

2016年2月11日 (木)

室内楽史的位置づけ

厳密に突き詰めようとするなら、「室内楽の定義」は、少々厄介だ。だから「室内楽の歴史」にだってその厄介さが投影されてしまう。当然のことながら私の手には余る。ブラームスを室内楽史上に位置づけようなど、僭越もいいところだ。

作品は個別に味わえば事足りる。歴史的側面など無用だと言われれば返す言葉は無い。しかし、それこそが私の性格、本ブログのキャラだ。突き詰めの完全さは棚上げにして、今ブラームス室内楽の位置づけを私なりに試みる。

「室内楽という巨木に咲く、最後の大輪」

異論、お叱り覚悟の上。8歳年下の盟友ドヴォルザークが厄介な例外を形成するかとも思えるが、ブラームスの死後に室内楽を残していないという点が、決め手となってそう断ずる。バルトークやショスタコーヴィッチの関係者には不興を買うことも覚悟の上だ。彼ブラームスは音楽史上における室内楽の連綿とした伝統を深く心得ていた。それを踏まえた上でなお、敢然と自作を世に問うた。時代錯誤のそしりを覚悟で室内楽の保守本流の真っ只中に自作をそっと置いた。

根拠を提示すればするだけ、反論の余地も与えてしまう。知識の浅さも露呈するだろう。ブラームスが遺した人類の至宝24曲だ。室内楽ツアーを終えるにあたっての率直な感想である。

2016年2月10日 (水)

室内楽記事ランキング

ブログ開設10周年を記念した「室内楽ツアー」と平行して、室内楽24曲全てに「1曲1カテゴリー」を創設した。このほど過去の記事に対するカテゴリーの割付が終わった。ブログ「ブラームスの辞書」内における室内楽作品が記事の本数をキーにランキングが出来るようになった。それを以下に示す。

ブラームスの室内楽作品について、その最初の出版についてデータを集約掲載しておく

  1. ピアノ三重奏曲第1番ロ長調op8 21本 
  2. 弦楽六重奏曲第1番変ロ長調op18 14本  
  3. ピアノ四重奏曲第1番ト短調op25 16本
  4. ピアノ四重奏曲第2番イ長調op26 8本
  5. ピアノ五重奏曲ヘ短調op34 42本
  6. 弦楽六重奏曲第2番ト長調op36 13本
  7. チェロソナタ第1番ホ短調op38 6本
  8. ホルン三重奏曲変ホ長調op40 16本
  9. 弦楽四重奏曲第1番ハ短調op51-1 6本
  10. 弦楽四重奏曲第2番イ短調op51-2 8本
  11. ピアノ四重奏曲第3番ハ短調op60 13本
  12. 弦楽四重奏曲第3番変ロ長調op67 13本
  13. ヴァイオリンソナタ第1番ト長調op78 73本
  14. ピアノ三重奏曲第2番ハ長調op87 5本
  15. 弦楽五重奏曲第1番ヘ長調op88 7本
  16. チェロソナタ第2番ヘ長調op99 10本 
  17. ヴァイオリンソナタ第2番イ長調op100 16本 
  18. ピアノ三重奏曲第3番ハ短調op101 5本
  19. ヴァイオリンソナタ第3番ニ短調op108 9本
  20. 弦楽五重奏曲第2番ト長調op111 12本
  21. クラリネット三重奏曲イ短調op114 7本
  22. クラリネット五重奏曲ロ短調op115 14本
  23. クラリネットソナタ第1番ヘ短調op120-1 16本
  24. クラリネットソナタ第2番変ホ長調op120-2 15本
  25. FAEソナタ 11本

いやはや興味深い。ベスト3は下記の通り。

  1. ヴァイオリンソナタ第1番 73本 次女の名づけネタで盛り上がったせい。
  2. ピアノ五重奏曲 42本 これも次女。ふくだもなのおかげ。
  3. ピアノ三重奏曲第1番 21本 これは意外かも。

2016年2月 9日 (火)

裏方の結束

またまた次女の後輩たちのオケの話。

1月30日に生徒のチケット担当と保護者が初会合を行ったと書いたばかりだが(こちら)、本日はその続き。一昨日、現役の部長、副部長、コンミス、マネージャーさんと保護者後援会の初会合があった。

彼女たちの一年間の活動の集大成は5月のスペシャルコンサート。ドイツ公演の重要性を考慮したにしてもその位置づけは不動だ。当然気合が入る。演奏面でのこれからの積み上げはただただ楽しみなだけで全く心配はないのだが、演奏会の運営がこれまたかなりなノウハウの塊になっている。言わば料理にも例えられる演奏が世界一なら、それを盛る器や、インテリアや接客にもふさわしい品質が求められる。

その部分はプレーヤーである生徒に責任はなく、もっぱらOGや保護者後援会にゆだねられている。そのモットーは演奏する子供たちと全く同じで「おいでいただく皆さんに楽しんでもらうこと」に尽きる。

裏方に回るメンバーが準備を進めるにあたって、現役の生徒とのコミュニケーションはとても大切だ。彼女たちがやりたいことをヒアリングして準備をアレンジする。もっとも大切な情報は当日の時間進行だ。生徒たちが思いのたけを盛り込みきるための時間進行。ポイントはリハーサルの時間に集約される。

ドイツ公演から戻ってからの初会合では一手遅れる。だから一昨日だった。本当は裏方の主役はOGたちなのだが、5月には大学1年生のOGたちだから今は受験戦線にいるので、初会合には欠席となる。そこでその親たちが「代わりに」とばかりに駆け付けてくれた。出演する生徒の保護者ではなく、裏方に身を投じる生徒の保護者にあたる。そこに彼らが駆け付けることも、この早い時期の初会合も新機軸だ。

定刻5分前に集まった子供たち、保護者を前に緊張気味ではあるのだが、昨年6月に走りだしたころに比べればどの子も貫録を増している。

初会合の意義、現時点で明らかになっている課題の共有などサクサクと進む。「当日の大まかな時間の流れ」のようなマクロの話から、「団員相互のプレゼントに取り付けるカードの大きさ」のような超細かい話までを突き詰めてゆく中から、子供たちの顔つきがみるみる輝いてゆく。間違いない。演奏会を手作りで組み立ててゆく喜びを、あの子たちは必ず音に還元してくれるはずだ。

既に2回の説明会を終えているドイツ公演に続いて、その先のスペコンが鮮やかに離陸した。完璧なスペコンを観たい。

2016年2月 8日 (月)

室内楽の中の変奏曲

変奏の大家ブラームスだから、室内楽作品の中にもその痕跡が色濃く宿る。作品中で変奏の技法を駆使するケースは、もはやカウント不能だ。室内楽の単一楽章が変奏曲になっているケースを以下に列挙する。

  1. 弦楽六重奏曲第1番op18第二楽章ニ短調
  2. 弦楽六重奏曲第2番op36第三楽章ホ短調
  3. 弦楽四重奏曲第3番op67第四楽章変ロ長調
  4. ピアノ三重奏曲第2番op87第二楽章イ短調
  5. 弦楽五重奏曲第2番op111第二楽章ニ短調
  6. クラリネット五重奏曲op115第四楽章ロ短調
  7. クラリネットソナタ第2番op120-2第三楽章変ホ長調

見ての通り全部で7曲だ。第一楽章には存在しない。第二楽章に3回、第三楽章に2回、第四楽章に2回となる。ただし、クラリネットソナタ第2番は第三楽章でありながらフィナーレである。だからフィナーレは3回。

二重奏から六重奏まで、もれなく分布する。

第4楽章に変奏曲をおくケース2件、どちらもその最終変奏で第一楽章冒頭主題が回帰するという共通点がある。クラリネット五重奏のフィナーレに変奏曲を置くのは、モーツアルトのクラリネット五重奏曲を踏まえているかもと妄想が膨らむ。

第二第三楽章に来る5例は緩徐楽章だ。このうちクラリネットソナタは、緩徐楽章として立ち上がりながらも、変奏の終末でアレグロに転じ、これが終楽章を兼ねているという、凝りまくった構造になっている。

ブラームスが弦楽五重奏で作曲の筆を折ろうとしていた話は、まことしやかに取りざたされる。もし、クラリネット奏者ミュールフェルトとの出会いがなかったら云々である。もしそうなっていたら、弦楽五重奏2番の変奏曲は、最初の変奏曲との共通点をもっと注目されていただろう。両者は表裏の存在だ。

史上最高の室内楽作曲家にして、史上最高の変奏の大家。その有力な証拠がこの7曲だ。

2016年2月 7日 (日)

多機能楽章

ブラームスはソナタの楽章の数を大筋で4と決めていた。2005年11月13日の記事「楽章の数」で述べた通りだ。

ところが実際には楽章の数3個にも挑戦している。まずは二重奏ソナタの最初と2回目だ。1回目はチェロソナタ第1番である。このときは中間楽章のうち緩徐楽章を省いた。2回目がヴァイオリンソナタ第1番で、今度は舞曲楽章を省いた。4楽章制を3楽章制にするにあたって、中間楽章のどちらかを丸ごと省略する道を試したのだ。

次の3楽章ソナタは弦楽五重奏曲第1番だ。 ブラームスの工夫は遅い舞曲を置いたことだ。テンポは緩徐楽章だが、形式は舞曲だ。さらにこの遅い舞曲・サラバンド風の主部の後に急速な舞曲風のエピソードが続く。つまり緩徐楽章の中間部が急速な舞曲になっているのだ。緩徐楽章が舞曲楽章を呑み込んだ形であり、本日のお題「多機能楽章」の走りである。実は続く4番目の3楽章ソナタであるヴァイオリンソナタ第2番でもこの「多機能楽章」が採用されている。

緩徐楽章に舞曲がサンドイッチされるアイデアの原型はなんと作品5のピアノソナタ第3番に遡るかもしれないと考えている。スケルツォの第3楽章は緩徐楽章に挟まれていると見ることが可能だ。第4楽章は第2楽章のエコーになっているからだ。ピアノソナタ第3番の5楽章制は、「多機能楽章」の実験であったと位置付け得るのではないかと思う。

さてさて、この多機能楽章の系譜には続きがある。ブラームス最後のソナタ、クラリネットソナタ第2番である。この曲の第3楽章は、緩徐楽章と終曲が合体している。終楽章が「Andante」で立ち上がるブラームス唯一の事例だ。このこと自体が聴き手への謎かけかもしれない。聴き手に緩徐楽章の始まりだと錯覚させる狙いがあった可能性がある。案の定70小節目で「Allegro」に転じて、そのままエンディングまで押し通す。フィナーレはやはりアレグロでなければという考えの反映だろう。

「終楽章がアンダンテだなんて珍しいな」と感じる聴き手の裏をかく狙いがあると思われる。

2016年2月 6日 (土)

三楽章の根拠

まずは以下のリストをご覧いただく。

  1. チェロソナタ第1番ホ短調op38
  2. ヴァイオリンソナタ第1番ト長調op78
  3. 弦楽五重奏曲第1番ヘ長調op88
  4. ヴァイオリンソナタ第2番イ長調op100
  5. クラリネットソナタ第2番変ホ長調op120-2

結論を先に申すなら、これら5作品は三楽章制を採用している。多楽章ソナタをいくつの楽章から構成させるかは、作曲家の自由だ。2楽章以上任意といっていい。ブラームスにおいて、この値は3~5になる。ピアノソナタ第3番だけが5楽章制だ。上記以外の室内楽20曲は全部4楽章となる。

3楽章制は、その組成から2種類に分類できる。

<A型> 標準の4楽章から舞曲が削除されたケース。上記では2番~4番、両ヴァイオリンソナタと弦楽五重奏曲第1番が、これに該当するとひとまず落としておく。残存した緩徐楽章の中に、急速なテンポになる部分があるかないかで細分出来る。無いのが1番。あるのが2番と弦楽五重奏曲第1番だ。この2曲では緩徐楽章の中間部がスケルツォを兼ねている。

<B型> 標準の4楽章から緩徐楽章が削除されたケース。チェロソナタ第1番とクラリネットソナタ第2番がこれにあたる。終楽章の冒頭が緩いテンポになっているのが、クラリネットソナタ第2番だ。同楽章はアンダンテで始まることで、聞き手は一瞬緩徐楽章が始まったものと錯覚する。

A型にもB型にも、削除された楽章の機能をカバーするような部分が、残った楽章に埋め込まれているケースとそうでないケースがある。

2016年2月 5日 (金)

アルバムの曲順

ブラームスの室内楽はどのジャンルも最高で3曲にとどまっている。CDに収録するのにはたいそう都合が良い。1枚のCDに1ジャンルが大抵全部収まるからだ。特に二重奏ソナタは、大抵の演奏家がセットで録音している。

収録は番号の若い順というのが基本だ。つまり1番2番の順である。

ところがクラリネットソナタだけはどうも勝手が違う。2番を先に収録しているCDがやけに目立つのだ。我が家にあるCDだけをとってみると2番が先というのは下記の通りだ。

  1. Stephanie Jutt フルート
  2. Sabine Meyer クラリネット
  3. Kim Kashkashian ヴィオラ
  4. 今井信子 ヴィオラ
  5. Henri Xereb ヴィオラ

バシュメット、ウラッハ、ライスター、ズーカマン、ミンツ、ガンデルスマンの6名は1番が先である。偶然か2番を先に収録しているのは女性が多い。

想像するに1番はピアノのイントロに続いてクラリネットが合流するが、2番は冒頭いきなりクラリネットが第一主題を奏する。この入りの違いがポイントだろうか。女性の奏者たちが、立ち上がりいきなり独奏楽器のアマービレを聞かせたいと考えたのかもしれない。あるいは2番のフィナーレより1番のフィナーレの方がラストに相応しいから、1番を2曲目にしたいという可能性も考えられる。

ヴァイオリンソナタのアルバムで3番からという例は記憶にない。チェロソナタも2番が先のアルバムは無いだろう。どちらの曲にも女性演奏家のCDが無視しえぬ数存在するといのに収録順の逆転はない。

この種のどうでもいい話を放置しないのがブログ「ブラームスの辞書」である。

お気づきの通り、最後の室内楽、クラリネットソナタ第2番の話題に入った。

2016年2月 4日 (木)

在庫一掃

ブログ開設10周年企画「室内楽ツアー」が終わる。記事数にして252本の大型企画だ。おかげさまで無事コンプリートできそうだが今この瞬間、室内楽ネタの備蓄が底を着いた。10周年企画のために出し尽くしたと申していい。

在庫一掃セールであった。2033年5月7日のゴールまで継続するには、今から室内楽ネタの再備蓄に走り、もう一度や二度室内楽特集が出来るようでないと苦しい。

2016年2月 3日 (水)

ルチアーノ・ベリオ

1925年生まれのイタリアの作曲家。1986年にブラームスのクラリネットソナタ第1番のピアノパートを管弦楽用に編曲している。長らくCDを探していたが、やっと見つけ出した。2700円を迷わず購入である。いやはや難儀であった。

第1楽章で、まず否応なく気付くのは、冒頭10小節少々にわたってオリジナルにない走句が提示されることだ。再生のトラックを間違えたかと思った。それ以降は大きな違和感もなく、7分少々を退屈せずに聴けた。第2楽章にも2小節程のイントロが付加されている。ごくごく控え目、薄皮のような伴奏には好感が持てる。第3楽章冒頭アウフタクトの弦楽器がなまめかしい。音響的なヤマは第4楽章だ。

ホルンとトランペットの使用が控えめなことや、ティンパニ以外の打楽器が無いことなどブラームスの手法が墨守されている。おそらく独奏クラリネットのパートには手を付けていないと思う。木管の音色の微妙な違いを用いたニュアンスの使い分けも好ましい。フルートの低音域やオーボエの出番に工夫が感じられる。

誰かクラリネットをヴィオラに持ち替えて録音してはくれないものか。

2016年2月 2日 (火)

和声の文脈

妻の生前、よくアンサンブルを楽しんだ。ヴィオラソナタ第1番の第2楽章がお気に入りだった。全長81小節の小品ながら、何度弾いても飽きることがない。長男がおなかにいた頃は毎日のように合わせていた。パパが音を間違えるとママのおなかを内側から蹴っ飛ばす男の子だった。

フラット4個を背負って始まった「子守唄」はヴィオラC線の3ポジションあるいは4ポジションにしがみつくような難所を過ぎると35小節目からシャープ4個に置き換わる。再現部への歩みが始まるのだ。45小節目から4小節間ヴィオラは休みになる。やれやれといった感じだ。

その45小節目の冒頭「piu p」ピアノの右手がドミソと鳴らす。何と言う可憐な響きだろう。休みの小節を数えながらいつもそう感じた。なんの変哲もない「CEG」なのに何故こうもチャーミングに響くのだろうと、妻と語り合った。

「CEG」はハ長調の曲で鳴らされればトニカとして機能する。けれどこの素晴らしい子守唄はフラット4個の変イ長調だ。変イ長調のこの文脈の中に置かれるとかくも可憐なのだ。「CEG」だけを単独にポンと鳴らしたのでは、こうした感慨に浸ることはない。前後の文脈や背景の中で語られてこそ意味がある。和声の文脈とはつまり「和音進行」だ。

再現部の準備の中で鳴るということが大事だ。今いる場所、次に進む場所、そして最終的な目的地。それらを脈絡として意識する中で鳴ってこその和音なのだと心から思う。

没後20年の妻に捧げる記事。

2016年2月 1日 (月)

没後20年

妻が亡くなって今日で丸20年。それとともに本日はブログ開設3900日の節目でもある。記事更新の抜けが無い3900日だった。

先日末っ子の次女が無事成人の式典に臨んだ。いわば子育ての一段落。ブログ開設3900日と命日が重なるのを、偶然などと思ってはいない。妻からの「子育てありがとう」のメッセージに決まっている。決まってはいるのだが、その発信相手は私ではなく、義母。つまりこどもたちのおばあちゃん。

妻が亡くなった時、長男3歳10か月。長女2歳1か月。次女5か月。おばあちゃんの子育てはそこから始まった。母には「4人は私が育てた」という強烈な自負がある。その4人には私もカウントされている。80歳にして我が家の中心であり太陽であり、家中で起きる出来事に隅々まで気を配り、イベントに際しては細かな配慮を欠かさぬ現役バリバリのスーパーな主婦。

亡き妻にもその気迫は伝わっているはずだ。

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