僭越
「僭越」(せんえつ)を辞書で調べる。地位や立場を越えて出過ぎたことをすることくらいの意味だ。何も疑問はない。
ところが、この「僭越」という言葉が使われるシチュエーションを思い浮かべると面白い。どうも私の周りでは「僭越ながら」と前置きして結局言いたいことを言ってしまったり、やりたいことをやってしまった状況で使われることが多いと感じる。「僭越なので差し控えた」というケースは見かけない。本来の意味と逆の状況で使われている感じがする。本当は「僭越」とは思っていないケースが混入しているのではないかとも思う。「ながら」のような逆接を意味する言葉とセットで用いられ易い気がしている。
いささか唐突だが、「無敵艦隊」を思い出した。スペインの無敵艦隊だ。日本で世界の歴史を学んでいる限り「無敵艦隊」という言葉は英国のネルソン提督に負けた記述しか現れない。「無敵」と言いながら負けた記述ばかりを読まされているのだ。日本で流布する歴史の教科書では「出ると負け」の艦隊なのに無敵とはこれいかにである。無敵と言われるほど強かった事実の言及がないために、ネルソン提督の功績もいささか色褪せて見える。英国の台頭を象徴する事件なのだろうが、もう少し無敵の由来に言及した方がいいのではなかろうか?
出ると負けの無敵艦隊は「僭越」と前置きしながら結局言っちまうケースが多いのと似ている。
素人考えを文字にしてしまっているという意味では、私の本やブログも「僭越」である。いちいち僭越ながらと断っていてはキリがない。駄文本体に加えて中途半端な謙遜を毎回読むのは大変だと思えばこその措置である。
親2さま
本当に僭越だと思うのなら固辞すればいいんですけど、言わずにいられない性格でございます。
投稿: アルトのパパ | 2016年2月19日 (金) 21時39分
はぁー、?!カエルの子は、♪〜
私は昨年ドレミ出版の実用楽典を買い、通勤途中でマスターしよう
と張り切っていました。が、増4.減3度とか、むかし授業時間に聞いたような、寝ていた様な辺りから少し退屈になり、自然短音階がどうしたに
至って、かなり怪しくなり全39章の内27章で休憩に入りました。
ところが、横を見ると高校で吹奏楽を演っている長男が同じ出版社の「脱、銅賞バンド作戦!」を読んでいるのを見て。
このバカ猿!(我が家での長男の通称)
何だそのタイトルは!
「全国制覇はこうして成し遂げられる」
とかもっと勇ましい本を読まんかい!
僭越ながらって、言えるのもナカナカ
良いもんだと思いますよ。
羨ましい。
投稿: 親2 | 2016年2月19日 (金) 19時00分