ジプシーアンサンブル
ご機嫌なCD手に入れた。
ラオシュ・ホルバート2世率いるハンガリージプシーアンサンブルが演奏するハンガリア舞曲だ。ハンガリア舞曲の原型を垣間見る思いがする。編成はヴァイオリン、ツィンバロン、ピアノ、コントラバスだ。ジプシー四重奏の基本編成なのだと思う。解説書にも興味深い話満載だ。超絶技巧ヴァイオリンはハンガリージプシーのお家芸で、名人の系譜は16世紀にまで遡るらしい。そしてその系譜の最後に位置するのがブラームスの相棒、エドゥワルド・レーメニだという。ブラームスはレーメニから正当なハンガリージプシーの語法を吸収したと考えられる。
これをもとにブラームスがピアノ4手用に編曲したのが名高いハンガリア舞曲なのだと思い知らされた。誤解を恐れずに言えばアクが抜かれている感じだ。市民社会の台頭とともに一般家庭に急速に普及したピアノを念頭にと申しては刺激が無さ過ぎる。彼等の演奏に比べればヨアヒムが編曲したヴァイオリン&ピアノ版もおとなしいものだ。
1番、2番、4番、5番、6番それに17番の6曲だけというのが残念だ。ドヴォルザークのスラブ舞曲10番が入っているのがご愛敬でもある。この編成でピアノ四重奏第1番のフィナーレが聞いてみたい。
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