鬼に金棒
元々手強い人がさらに手強くなること。
耳が良くて、見識があって、腕の立つ演奏家が、作品や作曲家についての知識を持ったら「鬼に金棒」なのだと思う。知識を持っていなかったとしても、立派な演奏が出来る人が、知識を持つことでさらに演奏の幅が広がることは間違いない。持っていない場合には、持っていないなりの演奏しか出来ないが、持っていればそれを演奏に反映させることも出来るし、知識を意図的に無視することも出来る。つまり選択の幅が広がる。知識の量が少ない場合には、大したことはないが、数千の知識にでもなればバカに出来まい。
私が「ブラームスの辞書」で積み重ねているネタは、そうした人たちの「金棒」になりはせぬかと思っている。達者な演奏家に持ってもらえば「金棒」になる知識も、私が持っているだけでは「持ち腐れ」が関の山だ。だから私は「ブラームスの辞書」を書いた。放置すれば持ち腐れてしまう知識の数々を、「鬼の金棒」にするために自費出版をした。
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