マーチの作曲家
記事「ドイツの吹奏楽」で述べたとおり、いわゆる軍隊行進曲は多様な層の作曲家がいた。クラシックと呼び習わされている世界の作曲家もいるにはいるが、そちらはむしろ少数派だ。軍隊が統一歩調を採用しカッチリキッチリと行進するには音楽に合わせるのが一番だということになった。行進中は鼓笛隊Spielleuteと、軍楽隊Musikkorpsが交代で演奏する。曲の切れ目では前の吹奏者がつなぎのマーチをふくしきたりであった。
軍隊には行進曲を演奏する軍楽隊が各連隊ごとに設けられ、演奏に特化してゆく。軍楽隊長は以下の通りの序列がある。
- Musikdirektor 少佐
- Stabsmusikmeister 大尉
- Obermusikmeister 中尉
- Musikmeister 少尉
いやはやかなりの待遇である。演奏に特化してゆく中でかなりの才能を持った軍楽隊長も現れる。作曲や編曲に特段の功績を残すものの少なくない。大切な勝利の後には記念のマーチが書かれたり、王や皇帝にしばしば献呈されている。その他自らの所属する連隊に献呈するという独特な習慣もあり、マーチの歴史をたどるとそれがそのままプロイセンの歴史と重なってくる。
3大Bに代表されるクラシックにとどまらない別世界があり、それもまたドイツ音楽の屋台骨をささえていたと解したい。
スペシャルコンサート まであと26日。
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