伝記たるもの2
昨日「伝記たるもの」でロベルト・シューマンの伝記を巡ってのクララとのやりとりから、ブラームスの伝記観に光をあてた。
本日はスイスの詩人ヴィトマンとのやりとりから再びブラームスの伝記観を覗いてみたい。
晩年にさしかかったブラームスに厄介な出来事があった。若い頃父親に宛てた手紙が、よからぬ人物に渡り、競売屋のカタログを飾ってしまったのだ。友人が即刻落札しブラームスに返却したことで事なきを得たらしい。この事件をキッカケにヴィトマンがブラームスの伝記観を聞いたというのだ。
芸術家の伝記の良し悪しは、記述を通じてその芸術家の尊敬に繋がるかどうかにかかっているという。この尺度で見てブラームスが当時の伝記を格付けしている。音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第3巻98ページだ。
<よい>
- シラー
- ゲーテ
<ふつう>
- モーツアルト
<わるい>
- ベートーヴェン 一部の手紙によってベートーヴェンの人間性の悪さが伝わりかねない。「知らなきゃよかった」と感じる歓迎されない情報が混入している。
「事実を書けばよいというものではない」とも読める。
私のブログは、どうだろう。ブラームスへの尊敬に繋がるのだろうか。
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