絵の素養
ブラームスは音楽とともに芸術の一大領域を形成する絵画についても並々ならぬ洞察力を持っていたという話をする。
ブラームスのイタリア旅行の主たる目的の一つが、美術作品の鑑賞であったことはよく知られている。同行した友人たちの何人かが証言している。ブラームスはイタリアに赴く前に下調べをしたという一方で、解説書を鵜呑みにするのではなく、直感に頼ったとも言われている。パルミジャニーノへのご執心は既に言及した通りである。
もちろんブラームスの本業は音楽。作曲と演奏だ。絵の素養があると言っても創作の対象ではなく、もっぱら鑑賞だった。
さらにブラームスの伝記を注意深く読むと同時代の画家との交友関係も浮かび上がる。
- アドルフ・メンツェル (1815-1905) ミュールフェルトの演奏中のスケッチを贈る。クララとヨアヒムのデュエットのスケッチがある。
- ユリウス・アルガイヤー (1828-1900)「バラードとロマンス」op75を献呈。
- アンゼルム・フォイエルバッハ (1829-1880)没後その継母に「哀悼歌」op82を献呈。
- マックス・クリンガー (1857-1920) 60歳のブラームスに銅版画集「ブラームスファンタジー」を贈った。ブラームスは「4つの厳粛な歌」op121を献呈。
- ウィリー・フォン・ベッケラート
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