ロランス
ジャン・ジョセフ・ボナヴェンチューラ・ロランス。ロベルト・シューマンの知り合いの画家でおそらくフランス系。1853年秋デュッセルドルフに滞在していた彼は、ロベルトから依頼を受ける。ある人物をスケッチして欲しいと頼まれたのだ。
求めに応じて描かれたスケッチが今に伝えられている。
二十歳のブラームスだ。男か女かと言われれば男と即答出来るが、後年のいかついイメージとは雲泥の差。美少年である。美少年なら今も昔も少なからず存在したと思われるが、ブラームスは既にこのときop6までの作品を完成していた。シューマン夫妻が感動した第1ソナタは、この顔で弾かれたのだ。そのイメージの落差が夫妻の感動に一役買っていたと感じる。程なくエンデニヒに入院したシューマンは、このスケッチを届けさせたという。
学校の音楽室にこの肖像が飾られていたら、子供たちのイメージは変わると思う。
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