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2016年7月14日 (木)

お盆のファンタジー24

勢いに任せてさんざん盛り上がっているうちに、どうやらマーラーさんもブラームスさんも5月のスペコンにも来ていたことがわかってきた。何故わかったかというとブラームスさんがこう切り出したことがきっかけだった。

「あの日ヴィオラのトップを務めた生徒さんは、アダージェットの後、おかしな動きをしていたね」。マーラーさんは「そうそう、バッハ、アダージェットと演奏し終えたあの時、未完成にむけてメンバーが配置換えをしたときだ」「ヴィオラのトップの少女は配置換えの必要もないのに立ち上がって後方に歩いて行った」と、やけに確信に満ちた口調で私に念を押してきた。

なんということだ。

二人とも知っていたのか。

「たしかに」と私。長女が私にハンカチを差し出す。

5月スペコンの冒頭2曲。ヴィオラのトップ奏者は自分の楽器をスペアの位置において、私が貸していた楽器を弾いた。「主よ人の望みのよろこびよ」と「アダージェット」だが、本当は「アダージェット」を私の楽器で弾くためだったと、事の次第を説明した。

「そりゃあいい話だ」とブラームスさんとマーラーさんが同時に叫ぶ。「だってトップのその生徒さんだって大切なマイ楽器なのだろ。大切な引退公演の冒頭、マイ楽器を持たずにあんたのヴィオラを手に入場したってことだろ」とブラームス。「我々ピアニストはホール備えつけの楽器を弾かねばならない宿命だが、オケのメンバーはみな、マイ楽器をそれはそれは大切にしている」と。

「そりゃあ、あんたに対する最上の敬意と感謝の表れに違いない」とはマーラーさんだ。「誰の発案か知らないが、どんなパートだろうと、トップが本番でアクシデントもないのにスペア楽器を弾くなんて、本人以前に、他のメンバーや指揮者が許さんだろ」「つまり他のメンバーも趣旨に賛同していたってことだよ」

「どおりで、すごいアダージェットなわけだ」「ただの厳しい練習だけでは絶対にたどりつけない音楽だった」「何かを背負っていなければ絶対に届かない世界」「出番のない管楽器奏者たちもみなヴィオラトップ奏者の意思を認めていた証拠だ」とまくしたてるブラームスさんの横で、固まっているマーラーさんを見ていたら、マーラーさんは慌てて奥様にラインで話を知らせたと言ってスマホを見せてくれた。

ブラームスさんはそれを聞いて「わしもクララに知らせよう」と言ってスマホを取り出した。

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