アッティラ
「Attila」と綴る。フン族の王として有名だが、本名かどうか怪しいらしい。西暦410年頃生まれて454年に没したとされている。
フン族の欧州デビューは西暦374年。ローマ人の記述に現われる。もちろん当時の王はアッティラではないのだが、名前は伝えられていない。目撃者がみんな死んでしまったために詳しい事跡が伝わらないという。当時の欧州人にとってはエイリアンの襲来にも匹敵する衝撃だったとされている。手を焼いたローマ人はフン族にパンノニア、今のハンガリーあたりの土地を授与した。「西ローマには来ないでね」というおまじないに近い。
ゴート語で「父」を意味する「Atta」に、縮小詞「ila」が付与されて「Attila」になったという学者もいる。ゴート人とりわけ東ゴートはフン族の最初の接触者であり、被害者だったらしい。
さてパンノニアを中心としたフン族の支配は、広大な領域に及んだ。貢納が義務付けられたという意味ならば、その勢力はブリタニア、今の英国にも及んでいた。ドイツもほぼ全域がフン族の影響下にあったと考えていい。西ローマ帝国がライン川でかろうじて踏みとどまっていたようなイメージだ。
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