バッカナール
次女から見れば4つ年下にあたるオーケストラ部40代の子供たちが、日本学校合奏コンクール千葉県予選に臨んだ。
結果から申し上げる。金賞と全国大会出場権を獲得した。乙女たちが全国に打って出ようと選んだのがサンサーンス作曲歌劇「サムソンとデリラ」より「バッカナール。
集まったOGや親たちの祈りを載せた演奏。清冽なピチカート一閃とともに走りだすのはオーボエのソロ。オリエントテイストを前面に押し出す「ドソロ」「大ソロ」だ。10代半ばの乙女がどれほどのプレッシャーに耐えているのかを思いやると切ないばかりだ。これ以上演奏の出来を申し上げることは控える。言葉の限界がただ露呈するだけだ。
「おめでとう」とだけ。
メンバーの中に4月に楽器を始めたばかりの生徒が少なからず混在することは奇跡。夏からでさえ相当な成長だ。文字通り子供を大人にするコンクールである。一方で、応援した親たちの熱狂も並ではない。子育て終盤の高校生活でこうまで大人がのめりこむものかと。曰く「子供を大人にし、大人を子供にするコンクール」である。
全国大会は福島県郡山市。4年前次女も演奏した思い出の街。野球で言うなら「甲子園」。男の子がいて甲子園に出るともなれば、仕事休んで親が押し掛ける。野球なら9イニングだが、彼女たちの持ち時間は9分だ。よいではないか。9分のためにバスを仕立てるくらいしてやらねば、乙女たちの積み重ねた努力に報いることなど逆立ちしても無理だ。
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