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2016年10月22日 (土)

紅葉踏み分け

百人一首にある歌。

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聴く時ぞ秋は悲しき

猿丸大夫の作とされる。

山の紅葉が踏まれていることは確かだ。誰が踏み分けているかについては古来論争がある。「鹿」か「作者」かだ。歌を普通に読んでいるだけではどちらともとれる。

「奥山に紅葉踏み分け」でブレスをすれば「作者」で、「鳴く鹿の」まで一息なら「鹿」だ。音楽で申せばフレージングだ。冒頭から始まるスラーが、どこまで伸びるのかみたいなモンだろう。鹿が山の中にいることは、どちらの解釈でも同じだが、作者がどこにいるのかは、解釈が割れる。だからフレージングやブレスは、大事なんだと娘に説明するよい材料だ。

作者はブレスの場所やアーティキュレーションなんぞ明示したりはしない。まるでバッハのようだ。判断を読者に任せる。このことでかえって鑑賞の幅が広がると感じる。読者はただそれを楽しめばいいが、演奏者には一定のスタンスが求められる。

ブラームス作品に頻発する曖昧な感じは、この歌に通じるような気がしてならない。どちらともとれる感じを意図的に晒して聴き手の判断を問うのだ。調性、旋律、フレージングなどがこの手の意図的曖昧さで味付けされていると思う。

本日、次女の後輩40代と41代のオーケストラ部の「甲子園」ともいうべき、日本学校合奏コンクール全国大会が福島県郡山市で開かれる。中間テストとの両立も求められながら「受験一瞬音楽一生」とばかりに、演奏に磨きをかけてきた成果を披露する。

一部保護者たちはまさに今、北上中の紅葉前線を踏み分けて応援に駆けつける。たった9分の演奏を聴きに陸奥路を駆け上る。そりゃあ、コンクールだから不運も理不尽もあるだろうが、今日の演奏がいかなるものになろうと、私は断固乙女たちの演奏を支持する。

そこでささやかな歌を一首献じて心からのエールとする。

福島に紅葉踏み分け行く親の声聞く時ぞ我ら千葉女子

お粗末。

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コメント

親2さま

ご声援ありがとうございます。
おかげさまで、盛り上がりまくりました。
皆様によろしくお伝えくだされ。

”Blessed are the pure in heart.”「心の清い人は幸いである 」
”Let it be.”「為すがままに」
私の好きな言葉です。

心の清い乙女達が、純粋な気持で有りのままに、コンクールに臨めば
それは素敵な演奏会にもなるでしょう。

我家からは妻と長女の2名が応援に参加させて頂きます。
よろしくお願いします。

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