モムゼンとの邂逅
テオドール・モムゼン(Theodor Mommsen1817-1903)は、ドイツの歴史学者。シュレスヴィヒ生まれ。とりわけローマ研究で名高い。著書「ローマ史」により1902年にはノーベル文学賞を受賞している。
ブラームスはモムゼンのことを知っていた。とりわけ高く評価していたと思われる。1887年のイタリア旅行中、列車の乗り継ぎの際、偶然モムゼンと鉢合わせしたというエピソードを、友人のヴィトマンが証言している。地元の土産物の販売人が、モムゼンにコインを売りつけようとした話を紹介している。
コインの研究はローマの歴史研究において無視し得ぬ領域を形成している。若い販売人に、コインに刻印された文字の意味を教えてやったという。周囲の人々がそれがモムゼンだと判って歓声を上げたことに、ブラームスがいたく感動したらしい。
ブラームスの歴史の知識がローマ旅行の肥やしになっていたことは確実だ。
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