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2016年11月12日 (土)

メンコンの記憶

大学に入ってからオケに入団して、ヴィオラを始めた私のオケデビューは、冬の定期演奏会だった。入学から9ヵ月後の1979年1月7日のことだ。メインプログラムのブラームス第二交響曲が私のオケデビュウだ。

当時は中学時代から続いていたベートーヴェンラブの真っ最中だったので、「デビューがブラ2」という事実でさえ淡々と受け流していた。苦労もしたけど本当に感動した。でも「ベートーヴェンだったらもっと面白いはず」と真面目に思っていた。
大学オケの次の定期演奏会は6月。メインプログラムにベートーヴェンのエロイカ交響曲が選ばれたときはまじめに嬉しかった。このときオープニングに決まったのがブラームスの大学祝典序曲だった。これが運命を分けることとなる。練習を積み重ねていく過程で大学祝典序曲の面白さに気づいた。一方エロイカは不完全燃焼に終わった。この演奏会をきっかけにブラームスへの傾斜が決定的になった。
さて前置きが長くなった。この時のオープニング「大学祝典序曲」と、メイン「エロイカ」に挟まれたサブプログラムが「メンコン」つまりメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲だった。知らぬもののない超有名曲なのだが、ビギナーにはフィナーレのシャープ4個が厄介だった。
独奏ヴァイオリンは加藤知子先生。第一楽章の第二主題の下地に敷き詰めるヴァイオリンの伸ばしの美しさに呆然とした。
メンデルスゾーン特集が一度もメンコンに言及せずに終わるところだった。

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