感動のセンサー
作曲家はブラームスに限らず、自らの作品が聴き手を喜ばすことを目的にしていると信じている。演奏家も同じだ。作曲家が作品を出版する以上、後世の聴き手あるいは一部の弾き手を喜ばせたり、感動させたりすることが目的でないとしたら少々異常だと思う。
作曲家は、感動させるという目的に照らして十分と判断した作品を世に問うているのだ。ブラームスが公表を決意し作品番号を付与して出版された作品は、そうした基準に合致していると考えていい。「こうすれば聴き手や弾き手を感動させられる」という確信があるに決まっている。その部分に不安が残る作品を潔く廃棄するという点で、ブラームスは出色の存在だ。
そのような手順を経て出版されたブラームスの作品を聴いて、高い確率で感動するセンサーが私には備わっている。ブラームスの作品全てで深く感動するとまでは断言できないが、私の「感動のセンサー」はブラームスの作品を聴くと高い確率で感動する構造になっている。そのことは、ブラームスが出版の可否を判定するために用いた基準と、私のセンサーの感応基準が非常に似ていることを意味する。他の作曲家の作品を聴いても感動することはあるし、ブラームス作品中でも感動に濃淡があるけれど、ブラームスがこれでよしとばかりに世に問うた作品を、すばらしいと感じる自分がいることが嬉しい。
<親2さま
天才作曲家の身体、とりわけ耳と脳みそのつくりには確かに興味がございます。
わかったところでマネなんぞできませんが。
投稿: アルトのパパ | 2016年12月 1日 (木) 08時52分
もう1年経ったのか、先日健康診断を受けました。
ヘッドホンを付けてピーピー鳴る音を聞き分ける
聴力検査が気に入りません。
聴こえるに決まってんだろ、と思いながらも妙に
緊張してしまう53歳です。
ところで、TVでも有名な科学者T先生が興味深い話を
しています。人間には20KHz以上の音は耳で聴こえない
のでデジタル化に伴いこの量以上をカットしてCD録音
しているが、人によっては心地良さが感じられずに、
音域が広いアナログレコードを好むとのこと。
つまり、耳以外の皮膚とか眼とか或いはテレパシーみたい
なもので、20KHz以上の音を感じ取っているのではないかと。
また森林浴が気持ち良いのも、従来の説明では化学物質の
影響とされていたが、どうもこの20KHz以上の音を感じ取っ
ているからではないかと。
天才音楽家達は、どうなんでしょうか?
投稿: 親2 | 2016年11月30日 (水) 17時31分