言及される喜び
ネット上をうろついていると、ごくごく希に自分のブログや本が話題として取り上げられていることがある。ネガティブな紹介のされかただとそれなりにへこみはするのだが、原則として嬉しい出来事である。古くからの知人がブログで言及してくれるケースはあるのだが、全くの他人様が純粋に音楽的な興味から私の本やブログに接し、自らのブログで言及してくれているのはブロガー冥利に尽きる。それに加えてブログ「ブラームスの辞書」にリンクまで貼ってもらっているのを見ると恐縮してしまう。
「面白い」とか「役に立つ」などと書かれようものなら天にも昇る気分だ。
これはきっとマーキングの一種だ。万が一私のブログが継続不能になっても、ひと様のブログで言及されたことは痕跡として残る。ブログや本が確かに存在したという事実を第三者が証言してくれることになるからだ。
昔の書物でも、本体が散逸して失われてしまったというのに、現存する他の書物で言及引用されているために存在が推定出来るケースがある。ブログ「ブラームスの辞書」は簡単にへこたれさせる訳にも行かないが、それでもあちこちに保険をかけておくのは心強い。
マッコークルの「ブラームス作品目録」の巻末近くに、不思議な作品群がある。作品とおぼしきタイトルだけが記載されているのだ。「Anhang」(補遺)Ⅱと命名されて29曲を数える。実はこれらは、ブラームスとその知人の間で交わされた書簡その他の資料で言及されているが、現在所在の確認できない作品なのだ。別系統の資料により実在が推定出来る作品ということになる。
いろいろと差し障りもあろうかと個々のケースについてブログで言及することは控えているが、深夜にパソコンの前でニヤニヤしてしまう程の嬉しさだ。
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