普通名詞化の防止
お気づきの方も多いだろう。
ブログにおいても、また著書においても「ブラームスの辞書」に言及するときには、必ず「」をつけている。これは、わが子同然の著書「ブラームスの辞書」を普通名詞にしないための措置なのだ。
裁判で商標権を争う場合などでポイントとなることもある。メーカーの内部文書なので自社の商品を「」抜きで指していたりすると、普通名詞とみなされて、本来有するはずの権利を主張できなくなるケースもあるという。世間が認知するかどうかは別として、作者本人は、断固として「」付きに固執したいものである。
「ブラームス」は固有名詞、「辞書」は普通名詞だ。これらが格助詞「の」によって連結されただけの「ブラームスの辞書」は、放っておくと普通名詞になりかねない危うさが充満している。それは困るのだ。小部数の自費出版本ながら、「この世に2つとない辞書だ」というささやかな自己主張が「ブラームスの辞書」の前後の鍵カッコにこめられている。
作者である私が言わねば、誰にも言ってもらえないネタだ。
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