ばあやのマリー
1月5日の記事「グリム童話」で、兄弟が民間に伝わる民話を収集したと書いた。エルクの民謡収集と同じく聞き取りという手法だけが用いられた。既存の文献からの筆写されたお話は巧妙に回避されている。民謡の収集の実態の代表的な事例は記事「ゲルネ爺さん」で述べた。本日はグリム兄弟の民話収集に貢献した老女の話だ。
兄弟は「グリム童話」第1版の編集をしていたころカッセルに住んでいた。その近所に薬局があって親しくつきあっていた。弟ウイルヘルムは5番目の娘ドロテアと結婚したほどだ。この家の家政婦が本日の主役「ばあやのマリー」だ。夫をアメリカ独立戦争で亡くした後、薬局に雇われたという。記事「Juche nach America」の記述と矛盾しない。
彼女の功績は抜群だ。初版86編の約4分の1を兄弟に伝えた。「いばら姫」「赤ずきん」「ヘンゼルとグレーテル」という有名な話も含まれている。
刊行のタイミング1812年を見るにつけ、ブラームスも幼い頃グリム童話を聞いていた可能性もあると感じる。
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