グリム兄弟
ブラームスの友人にユリウス・オットー・グリム(Julius Otto Grimm1827-1903)がいる。1853年にデュッセルドルフのシューマン邸訪問から程なくして面識を得た音楽家で生涯の友となった。一部の書物には童話で名高いグリム兄弟の一族であると書いてある。彼のことを調べたくてグリム兄弟の情報を集めていた。
世界的に名高い童話の作者というイメージのせいか、童話好きのおじさんという先入観があったが、どうやらそれだけではないらしい。
- 兄Jakob Grimm 1785-1863
- 弟Wilhelm Grimm 1786-1863
2人ともフランクフルトに程近いマイン河畔の街ハーナウで生まれた。ヘッセン公国の官吏になったが、程なく文献学に専念し民俗学の観点から民話の収集をした。有名なグリム童話集は、2人の生前に7版を重ねるほどの高い評価を受けた。ドイツ語圏の家庭への浸透という面において、聖書のみが彼らの童話集を凌駕するという評価である。
近代比較言語学の祖と位置付けられる言語学の泰斗でもある。音韻分析上の金科玉条「グリムの法則」を提唱しインドヨーロッパ語の分岐について現代でも色褪せぬ業績を上げた。
彼らのライフワークは超有名な童話集にあるのではない。「ドイツ語辞典」こそが特筆大書されるべき業績だ。紛れもなく彼らの構想がキッカケになったにも関わらず、その完成は2人の死後約100年を経過した1963年だった。
長兄ヤーコプは1785年1月4日生まれ。
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