発車ベル
列車の発車を知らせるベル。ドイツでは何の合図もなくスルリと発車するので注意が要る。だからチェコも似たようなもんだと思っていたら、これがとんだサプライズだった。
構内アナウンスの前にスメタナの交響詩「我が祖国」第一曲「ヴィシェフラド」の冒頭主題が流れた。名高いハープの旋律だ。冒頭4つの音。このモチーフこそが「我が祖国」全体を貫く根幹になっている。人呼んで「ヴィシェフラドの動機」だ。第二曲「モルダウ」の終盤にも現れるから、ご記憶の人も多かろう。
これだけでチェコ感満載だ。天井の高い旧コンコースの雑踏に鳴り響くさまは「天上の響き」かと。一方地下に広がる新しいコンコースではこの旋律は鳴らないし、地下鉄の駅でも同様だ。プラハ中央駅の発車合図ではなくて、由緒正しい旧駅舎でのみ聴くことが出来る仕組みだ。
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