記録好き
長男はスポーツの記録が好きだ。とりわけ野球である。サッカーは野球に比べると記録の種類が少ないから、その面ではつまらないという。なるほどサッカーで個人が表彰されるのは、得点王、MVP、新人王、ベストイレブンくらいだ。野球の比ではない。
野球はカウントされるスポーツだ。攻撃側で申せば打数、打席、安打、本塁打、打点、得点などだ。数えることが終わると次は加減乗除を駆使する。打率、出塁率、長打率だ。全部プレイヤー個人に付着する。投手にもほぼ同じ厚みの記録が存在する。
さらに特定の結果の出現の疎密が記録の対象になる。1人の投手が1つの試合で連続して27人をアウトにすれば完全試合といって尊ばれる。56試合続けてヒットを打ち続ければおそらく伝説になれる。
野球が記録のスポーツと言われる由縁だ。
長男の記録好きはほぼ間違いなく私のDNAだ。私もこの手の話が嫌いではない。
およそ音楽は記録とは無縁だ。作品は作曲家のインスピレーションの発露だから、何かをカウントするのは難しい。調の数を数えるのは難儀である。
けれどもその音楽に無理やり数える対象を見つけて、数えてしまおうというのが「ブラームスの辞書」だ。「p」や「f」や「Allegro」を数えている。作品が無理ならばと、伝記に現われる初演や初版を数え、お金の記事に注目している。音楽を何とか数える対象に引きずり込みたいと考えている。
スペシャルコンサートまであと20日。
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