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2017年5月15日 (月)

奇跡のフィンランディア

40代の引退公演が昨日終わった。前後の代に比べて、極端に人数が少ないハンデをエネルギーに変えた渾身の3時間30分だった。第一部のバレエ付「くるみ割り人形」で、普通の部活ならハッピーエンドだ。難儀な「小序曲」をサラリと切り返す圧倒的な余裕感で始まったチャイコ。ここ3年連続で取り上げることもあり、もはやチャイコフスキーはお家芸の域かと。本格バレエの興奮さめやらぬ中、リノニウムをサクッと撤去する裏方のチームワークまで鑑賞の対象だ。

全部を文章に出来ないから、かいつまんで。

総決算のバッカナールに先立つ「カバレリアルスティカーナ」は必殺の涙腺クラッシャーだ。でもこれはいつものことだ。

松ヤニの「霞たなびく」とでも申すか、ただただ誇り高いバッカーナールだった。

だけどね。だけどね。

フィンランディアには心底驚いた。中間部、讃美歌にもなっている敬虔な部分に、オリジナル通り合唱が添えられた。なじみ深い管弦楽オンリーバージョンとは、全く別の曲になった。合唱を受け持ったのは、この4月にキビキビと入部してくれた一年生49名だ。入部からおよそ1か月の間、特訓を重ねてフィンランド語の暗譜演奏だった。例年アンコールの「ラデツキ行進曲」だけしか出番のない新入生なのだが、慣例をやぶっての熱演だ。

絶句。

絶句していてはブログにならないから、無理やり言葉にする。たった2か月前まで中学生だった生徒なのに、今や上級生と遜色のない風格、所作立ち居振る舞いに加えて「私たちはこのオケのメンバーなんです」という誇り高い決心さえ見え隠れする。演奏に備えて入場してきた時点で、すでに何かが伝わってしまう。右手コントラバスの後ろにアルト、反対側にソプラノだ。学生時代ヴィオラで演奏しに参加した経験から、アルトがトレモロのヴィオラの旋律をかぶせていると気づいた。ヴィオラだけではこうまで際立たない。鳥肌モンだ。

百戦錬磨の上級生をかすませるような圧倒的な存在感。それなのにそれなのに威圧感とは程遠いエレガントでピュアな歌声。もうあかん思い出しただけで涙がでそうだ。

ラスト、中間部の旋律が、ヴァイオリンの圧倒的なシンコペーウォンをともなって金管楽器に戻ってくるところで、また合唱が加わる。エレガントでピュアな歌声に、プライドまで追加されている。なんなんだこの子たちは。入部後たった一ヶ月で。

2年生3年生との共演による一体感こそが収穫と見た。来年の春には2年生と一緒にドイツに行くのだから。名刺がわりのエレガントなあいさつとしてながく、なが~く、なが~く記憶されるだろう。

もう一生、フィンランディアはこれしか聴かない覚悟ができた。

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