地名語尾「itz」の分布
記事「ザーレの東」でザーレ川が方言、地名の境界を形成すると提起した。本日はその鮮やかな実例をあげる。
例によって、ドイツFALK社製の道路地図の巻末にある地名索引のうちその語尾に「itz」を伴うものが308個、2.5%出現する。地名索引だから、その地名が何ページのどのあたりと特定する仕組みになっていることを利用した。見開き1ページが左右つまり東西に8つ、南北に6つに区切られている。東西にはアルファベットのA~Hが、南北には数字の1~6が割り振られている。これらの組み合わせで「A-1」となれば、見開き1ページの左上隅のマスを探せば目的の地名にたどりつくという寸法だ。「A-1」のマスは1辺7kmの正方形だ。
この要領で地名語尾「itz」を伴う地名がどこにあるのかドイツ全土にプロットしてみたのが以下の画像だ。
鮮やかなもんだ。ドイツの東半分に集中する。「itz」はスラブ語起源で「~の場所」を意味するというのが定説である。図上鮮やかに浮かび上がった中央を南北に走る線、これが地理上のザーレ川に一致する。
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