ハイムとハウゼン
「Heim」「Hausen」どちらも「家」を意味する。ドイツ語のネイティブな使い手でもない限り、これらの区別は難しい。これらが地名末尾に据えられるケースがある。「インゲルハイム」「ザンクトゴアハウゼン」などだ。
例によって毎度毎度の道路地図の巻末索引を頼りに分布図を作成した。まずは地名語尾「heim」から掲示する。
見ての通りだ。南部とりわけライン川流域、ワインの産地で言うラインヘッセンに特異的に分布する。カール大帝の御所があったインゲルハイム近郊にと申したらお叱りを頂戴するだろうか。
次いで地名語尾「hausen」の分布。「heim」とのすみわけが美しい。地名語尾「ハイム」の密集域(赤囲み)が見事に空白になっている。
「蝸牛考」に従うなら、インゲルハイム近郊が「京都」だ。あとから起こったハイムに、旧来のハウゼンが駆逐され、僻遠の地に残るという図式が容易に思い起こされる。
こうした地名の分布が何らかの歴史的事実や方言分布の反映でないとしたら恐ろしい。
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