支那のリンゴ
ハンブルクからウィーンに出たブラームスが早速困ったのではと思っていることがある。オレンジだ。オーストリアを含む南ドイツでは「Orange」というのに対して、ブラームスの故郷ハンブルクを含む北部ドイツでは「Appelsine」という。オレンジの言い方を比較してみる。
- 南部ドイツ Orange
- 北部ドイツ Appelsine
- オーストリア Orange
- 英語 Orange
- オランダ語 Appelsina
- スウェーデン語 Apelsin
- ノルウェー語 Appelsin
- アイスランド語 Appelsina
北部ドイツ語は北欧語に近い。「Appelsine」の「sine」は「中国」だ。そういう意味ではオランダ語の「sina」が一番近い。支那だ。オレンジとは「中国のリンゴ」という意味だった。イタリアから直接オレンジを供給された地域では「Orange」となり、ハンブルクやアムステルダムからもたらされた地域では「支那のリンゴ」と呼ばれたということになる。
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