正規分布
記事「テネラメンテダービー」でインテルメッツォイ長調op118-2の演奏時間は、概ね正規分布を為していると推定した。
ランダムに設定された母集団においては正規分布を為すことは自然である。試験やスポーツテストの成績、身体測定等々その類のデータは少なくない。試験には点数が、スポーツテストにはタイムや距離、身体測定には重さや長さが正規分布を為すという訳だ。その分布状態を表す曲線を正規分布曲線ということ周知の通りである。平均値付近にピークを持つなだらかな曲線である。
重さ、長さ、時間測定に作為が無い限りみな十分に客観的なデータだ。統計とは本来数値に換算可能な事項が対象である。その意味で「ブラームス好き度」は本来的な統計にはなじまない。「ブラームスが好き」と言っても確たる指標が存在するわけではないからだ。そもそも世の中の音楽愛好家における「ブラームス好き度」が正規分布をなしているかどうかも甚だ怪しい。好きか嫌いかにキッチリ分かれてしまって、平均値付近に分布のピークが来ない可能性も否定出来まい。
私自身のブラームスへののめり込み度を考えると、どう見ても私が平均値付近にいるとは思えない。平均から遠く隔たった場所にいるような、おぼろげな自覚もある。
ということはつまり、私が好きであることと同じくらい、「ブラームスを嫌いな人」が必ず存在すると考えねばならない。私が好きな側に平均からはずれているのと同程度、嫌いな側にはずれている人が必ずどこかにいるハズである。好きな人たちは同好会を作るが、嫌いな人は、わざわざそうした性格の集まりを作らないと思われる。偶然ブラームス嫌いが集まれば、その話題で盛り上がるだろうが、それ目当てで集まるとは考えにくい。
当然ブラームス大好きな私の周りにはブラームス好きが集まりがちだ。だからブラームスを好きな人たちとの交流の経験はあるが、嫌いな人たちとの交流が乏しい。私がブラームスを好きであることと同程度、ブラームスを嫌いな人というのを具体的に想像出来ずにいる。「ブラームスの悪口を書くとブログが炎上しかねない」と考えてひっそり嫌っている人は少なくないと思われる。
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