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2017年7月28日 (金)

かなづち

泳げない人のことを俗に「かなづち」という。水に入れると沈んでしまうからだろう。ブログ「ブラームスの辞書」ならではの疑問がある。ブラームスは泳げたのだろうか。

生涯英国の地を踏まなかった理由の一つに、船旅を嫌ったことを挙げる人は多い。言葉の問題と並ぶありそうな原因の双璧だ。しかしこれが直ちに泳力の判定にはつながるまい。水泳の能力と船旅の好き嫌いは必ずしもパラレルな関係とまでは言えない。だから大西洋を4度渡ったドヴォルザークが泳げたという保証も無い。

第1交響曲の作曲を進めた1876年夏の避暑地は、リューゲン島だった。ジョージ・ヘンシェルとともザスニッツに滞在したブラームスは、しばしば海水浴に興じた。色のついた石をめがけて海に飛び込んだり、水中で目を開けられることを発見したりと、楽しい海水浴の様子が証言されている。船旅ほどは海を恐れていないということだ。しかし、一連の証言の中には、泳いだと書いていないことも事実だ。

ハンブルクではキチンと初等教育を受けている。しかしその中に現代日本のような水泳の時間があったかどうか不明だ。

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