いきがいいネタ
「いきがいい」とは何だろう。一般に「生鮮食品がとれたてである」というイメージだ。もっと踏み込むと肉や野菜や果物について「いきがいい」とは言わない気がする。そうもっぱら水産品だ。蒲鉾には用いないから、ほぼ鮮魚を指す言い回しだと思われる。水揚げ後間もない鮮魚を、生でいただく場面が一番ふさわしい気がする。
ブログ「ブラームスの辞書」では、しばしば「いきがいいブラームスネタを発信したい」と書いている。この場合の「いきがいい」はいったい何だろう。使っておいて定義を意識したことがなかった。
ブラームスの作品は新しいものでも100年以上前に生まれた。彼にまつわるエピソードも同様だ。だから既に「とれたて」とは言えない。CDのニューリリースがあれば、それはとれたてであるし、それについて感想でも書けば「いきがいいネタ」と呼び得ると感じるが、あいにくブログ「ブラームスの辞書」ではほとんど見かけることはない。
どのみち書物やネット、あるいは楽譜からひねり出した話に過ぎないから「いきがいい」という表現は当たるまい。従来にない切り口、ここでしか読めない話くらいしかセールスポイントがない。
もしかすると、ときどき大騒ぎする「おバカな偶然」がとても貴重なのかもしれない。
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