叩き分ける
交響曲第2番の第4楽章アレグロ2分の2拍子も大詰め、405小節から弦楽器が8分音符で音階行きつ戻りつを始める場所で、ティンパニもまた8音符でD音を叩く。一段落の413小節目では、これが「tr」に変わって3小節半続く。そしてクライマックスの417小節目からは、6連符になって2分音符を6つに割る。
アレグロで疾走するホンのわずかの間に、8分音符、トレモロ、6連符という具合に刻み方が変わる。音程はラとレだけ、単に刻みの密度だけが表現の手段だ。CDによっては、この変化がクッキリと、聞こえてこない時があって興ざめすることがある。
遠い昔、大学オケで初心者のヴィオラ弾きだった私は、ブラ2のクライマックスのこの場所のティンパニを聞きながら、必死だった。ティンパニの刻み分けをヴィオラの位置から聴くのは、楽しみの一つだった。
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