交響曲第18番
ハンス・フォン・ビューローは、高名なピアニストであると同時に、今風な意味での指揮者の走りでもあった。加えて聴衆に対して演説をぶつのが恒例でもあった。居合わせた聴衆にとっては負担だったかもしれないが、そうした演説から名高いエピソードがいくつも生まれているからバカにならない。
ベートーヴェンの交響曲第9番といえば演奏におよそ一時間を要する大曲だが、ビューローは一度演奏した後に、お決まりの演説をかまして、再度全曲演奏したという凄いエピソードが残っている。その際聴衆が帰れないようにホールの扉に鍵を掛けさせたというから相当な確信犯である。このエピソードは大抵聴衆が気の毒というニュアンスで語られるが、付き合わされたオケの団員も疲労度という意味では相当なモンだと思う。
さてさて、その話を伝え聞いたブラームスは「それじゃあまるで交響曲第18番だ」とつぶやいたという。出所が怪しくて確認も必要だが、痛快である。もし事実ならブラームスが即座に「9かける2」の暗算に成功していたことは間違いない。
だから今日は9月2日。
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