間投詞Ja
またまた「永遠の愛について」op43-1の話題。第一節を引用する。
Dunkel, wie dunkel in Wald und in Feld!
Abend schon ist es,nun schweiget die Welt.
Nirgend noch Licht und nirgend noch Rauch,
Ja, und die Lerche,sie schweiget nun auch
4行目冒頭の「Ja」は、言ってみれば間投詞。「そう、ひばりも今は黙っている」くらいの意味。この「Ja」は軽い順接。興味深いのはブラームスがこの「Ja」に与えたフレージングだ。前行末尾の「Rauch」から4度跳躍で連なっているように聞こえる。「Ja」の後に続く「und die」の前には四分休符が挟まっているから、「Ja」は直前の「Rauch」とのつながりの方が密接に聞こえてしまう。「Rauch」は、4行目末尾の「auch」と韻を踏んでいるから「Ja」のフレージングは異例だ。2コーラス目の同じ場所ではこの跳躍は封印され、ピアノ伴奏が同じ音をなぞるだけだ。
実はこの「Ja」こそが曲前半の聞かせどころになっている。歌手たちの個性がにじみでるポイントだ。
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