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2017年9月24日 (日)

ビオンディスタ

銀座王子ホールにてビオンディを聴いてきた。プログラムは全てチェンバロとの二重奏でいわゆるヴァイオリンソナタだ。

  1. コレルリ 第9番イ長調 op5-9
  2. ヴィヴァルディ 変ロ長調 RV34
  3. ジェミニアーニ ニ短調 op4-8
  4. タルティーニ ト短調 op1-10
  5. ヴェラチーニ ニ短調 op2-12
  6. ロカテッリ ニ短調 op6-12

上記の通りの順序、3曲目のあと、20分の休憩。6番目の演奏後アンコールを3曲。

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2曲目まではアンコールの前にビオンディご本人が英語で曲目を紹介した。イタリアンソナタの演奏会のアンコールにバッハを弾く理由もサラリと説明してくれている。ヴァイオリンの超絶技巧と対照的な穏やかなトークだった。BWV1019は「ト短調」ではなく「ト長調」だし、「Ⅳ」ではなく「Ⅴ」のはずだが、これはビオンディさんの責任ではあるまい。バッハが聴けたのは望外の喜びだ。

パガニーニもすごかった。難易度を感じさせない小洒落た感じ。

引っ張り出された感じでステージに戻ると、今度は曲の説明なしにアンコールを弾きだした。ヴィヴァルディの四季から冬の第二楽章を暗譜で弾いてくれた。聴衆がみな知っているはずという確信のたまものだろう。この季節に「冬の雨」を持ち出されて少々面食らった。でも実は四季の中で一番好きな曲。超絶技巧の発露ではない。アドリブッ気も控えめで、ただしみじみと静溢なメロディーラインに浸される。

不覚にも涙が出た。理由はわからぬ。今までに何度も聞いた冬の雨なのだが、こんなことは一度もなかった。「みんなありがとね。最後にみんながよく知っているとっておきを弾きますね」というメッセージが込められた演奏。ただただありがたくて涙が出た。

最後の和音がチャーミングなピチカートで鳴らされたとき、会場全体がほほ笑んだ。

極上の「ビオンディ体験」を永遠に記憶するために、この記事をもってカテゴリー「316 ヴィヴァルディ」を立ち上げる。

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