絶対に解のある方程式
数学苦手な文系人間としては、方程式は鬼門である。延々と時間をかけて取り組んでも報われないこともある。実数解が存在しない方程式だって珍しくない。そもそも実数解が存在するかしないかさえ見当もつかないことだってある。
同じ難解でもブラームスの用語遣いは、暖かい。絶対に解のある方程式のようなものだ。どんなに難解に見えていたとしても粘れば解に到達できる。今実数解が無いように見えるのは、こちらの側の知識や経験の不足によるもので、ある日ふとしたはずみでカラリと見つかることもある。見つかってみればなるほどなことが多い。
だからブラームス作品の楽譜に現われる用語についてあれこれ考えるのは楽しい。絶対に解が存在するという安心感は何にも代え難い。解るのは10年後かもしれぬし明日かもしれない。何かをきっかけに鮮やかな解法を思いつく可能性はいつもある。
「ブラームスの辞書」はブログも著書も、そのキッカケの集まりである。
コメント