念のため
世の中リスク管理全盛だ。みんなで知恵を出し合ってどんなリスクがあり得るか列挙する。起こりやすい順、起きたらやばい順に並べて対策を講じるのが一般的だ。
「念のため」はこうした策を講じる際に、枕言葉のように用いられる。多くは空振りに終わるのだ。それを怠って大トラブルに発展した記憶が人々を「念のため」に走らせる。人や企業が「念のため」に費やすお金はどれほどになるのだろう。「念のため」の市場規模はどれほどあるのだろう。生命保険、損害保険がその代表だ。
「ブラームスの辞書」にもおバカな「念のため」がある。
あとがきの末尾に記された文だ。
「既にお気づきのことと思うが私はブラームスが大好きである」と書いてある。ブログも書籍も、私がどれほどブラームスが好きかを伝えるためにあるので、万が一伝わっていないと困るのだ。だから「念のため」に書いた。
幸いあまりお金はかからなかった。
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