意外な三重奏
先週末は、選挙と台風とインフルエンザの三重奏に見舞われた。
まずは私が10月18日に珍しく発熱した。朝っぱらから38度7分。しぶしぶ内科を受診したらあっけなくインフルエンザと診断された。その場で吸引薬をかがされてあとはひたすら安静にと言われて帰宅。今季一番乗りである。
そもそも私自身がインフルエンザにかかるのは、平成10年1月29日以来およそ19年8か月振りの珍事だ。このとき家族5人全員が感染し1週間大変な思いをした。子供たち3人とも40度超え、祖母が39度7分で、最も低かった私でも38度7分だった。5人合わせてほぼ200度の大台である。最初に発症し最も早く回復した5歳の長男が大活躍したものだ。
こういうときにテンションを上げるのが母、こどもたちの祖母だ。てきぱきと家族を采配する。家族の動線から私を遠ざける判断だ。おなかに優しく口当たりのよい食事をと気を配るのはそれこそ50年前と変わらない。醤油味の焼きおにぎりは高熱時にも味が変わらないから不思議だ。
今回はその母も私より2日遅れで発症した。祖母の静養で、我が家の日常の祖母への依存ぶりが図らずも露呈する結果となった。熱があると「明日にはできないかもしれないから」と、いつも以上に家事をやりたがるおばあちゃんを、みなでなんとかなだめて家事を分担したが、普段はそれ全部をおばあちゃんがやっていることに愕然とした。
幸い今日まで子供たちに発症の気配はない。19年前と違い子供たちには抵抗力がついたといいうことだ。加えて判断力もある。
そして思いやりも。
一人一人が相応に家事を分担したのだが、ラインで祖母の発症を知った長女の20日帰宅後の鬼気迫る采配ぶりには驚いた。家族の分担の最適解を瞬時に判断して兄と妹にてきぱきと指図。21日22日の朝は自ら5時30分に起床して洗濯と飯炊き。21日は11時には悠々と外出し、夕方帰宅すると病床のおばあちゃんに声がけしてから、さくさくと浴室の掃除。普段、縦のものを横にもせぬ日常なのにこの豹変ぶりは、ばあちゃんのインフルエンザがどれほど我が家のピンチか飲み込めている証拠だ。家事の手際、兄妹への指図のキレと祖母への声掛けのやさしさの落差には心底驚いた。
22日は各自投票をすませたあと、仕事とバイト。23日午前、台風の余韻冷めやらぬ中、長男は出勤前にスーパーに買い出し。午後、晴れ間を待って次女が室内の洗濯物をすべて物干しに運ぶ。3日分の洗濯物が屋内に干されていて乾かぬままたまっていたのを解消。日差しと強風で次々と乾くと、すべてをたたんで個別に整理した。
非常時に家族が協力できることはとても素晴らしい。文字通り第一ヴァイオリンを弾いてくれた長女、やはり我が家でもセカンドヴァイオリンが似合う次女。母と私は客席だった。我が家はいつもこうしてピンチを脱してきた。たまにはいい。
台風21号と衆議院選挙は報道されている通りだ。
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