豊福丸
第一次大戦で日本の捕虜になったドイツ将兵たちが本国に帰還する際に乗った船。1919年12月30日に神戸を出港し、56日間の航海ののちドイツ・ヴィルヘルムスハーフェンに帰還した。
彼らは日本での収容地徳島において、1818年6月にベートーヴェン第九交響曲を演奏した。これが同曲の日本初演であることはよく知られている。第一次大戦のドイツ捕虜たちの音楽活動の中でブラームスが演奏されていないか調べているがなかなかわからない。ベートーヴェンではいくつかの交響曲やエグモント、レオノーレの序曲、あるいはヴァイオリン協奏曲が演奏されたらしいのだが、ブラームスが確認出来ない。
ところが、帰国船豊福丸の船内でのミニコンサート、1920年2月1日に開催された「歌曲の夕べ」全11曲の中にブラームスの子守唄があった。帰国およそ3週間前のひととき、彼らはブラームスを含むドイツ愛唱歌を楽しんだ。
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