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2017年11月21日 (火)

ドイツへの祈り

11月19日、習志野霊園にて23回目を数えるドイツ俘虜慰霊祭があった。次女の後輩たちが駆けつけて、今年一番の冷え込みの中、演奏を披露した。

  1. ドイツ国歌
  2. 戦友の歌
  3. ベートーヴェン 交響曲第7番第二楽章

2年生が修学旅行と重なり、参列できないというピンチを、1年生がサラリと切り抜けてくれた。5月のスペシャルコンサートでは、慣例を破ってフィンランディアの合唱を聴かせてくれた1年生たちの楚々とした所作立ち居振る舞いが、リハーサルの段階から際立っていた。コーラスを交えたドイツ国歌のリハーサルでは、関係者から思わず拍手が湧いた。寒い中、開会を待つ間の毅然とした態度とエレガントな笑顔が絶妙にバランスしていた。

さて開会。

いきなりドイツ国歌。半年後のドイツ公演に向かう重要な手順の一つだ。習志野のドイツ俘虜のことは、日常の授業で教わっている。無念の死を遂げた31名の将兵に捧げる真心はドイツを好きになるためにある。ドイツを大好きになれば、公演の準備にも心がこめられる。

金管楽器とスネアだけが伴奏する「戦友の歌」は、慰霊の式典では必須の選曲だ。

昨年との違いは献花の場面だ。昨年は献花のBGMはラジカセからベートーヴェンが流れた。月光ソナタの第一楽章だ。せっかく高校ナンバーワンオケが来ているのにラジカセは無粋だ。今年はこのシーンに生演奏を入れた。曲目はベートーヴェンの第七交響曲の第二楽章だ。イ短調のアレグレットが、献花の厳粛な雰囲気を補強していた。木管の粛然とした和音を合図に、葬列を思わせる旋律が低弦から次々と折り重なって行く。セカンドに旋律を受け渡したヴィオラがオブリガートに回った時、あたりの空気が打ち震えた。

真っ先に献花したドイツ大使館付きの空軍大佐が、慰霊碑正面で渾身の敬礼を献じた姿に乙女たちのベートーヴェンが違和感なくなじむ。後に続く献花者一人一人に「ダンケシェーン」と声掛けする大佐の威厳は相当なものだが、乙女たちの演奏は全く遜色ない。

生徒代表6名が献花する。白菊を慰霊碑に捧げ祈る。大佐と言葉を交わすまでの一連の所作はただただ美しい。

終わった。このパフォーマンスが一年生だけだなんて忘れていた。

参列者全員による恒例の写真撮影。それから乙女たちが大佐を囲んでの撮影までもはや恒例だ。ここ3回演奏を買って出ているのだが、もうこの式典は乙女たちの参加なしには立ち行かないレベルだ。厳粛な雰囲気に貢献しながら、エレガントな華やかさも付加して見せる乙女たちに31名のドイツ将兵の魂も癒されるに違いない。

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コメント

どなた様か存じませんが、貴重な情報ありがとうございます。

ベートーヴェン「第七」の第二楽章アレグレットは、習志野収容所では大正8年(1919)10月、イプセンの「社会の柱石」(Die Stützen der Gesellschaft)という芝居を上演した際に、幕間の音楽として演奏されている記録があります。その意味でも、千葉女の演奏は記念すべきものでしたね。

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