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2017年12月 9日 (土)

江戸時代の見直し

昨今、何かと江戸時代が見直されているという。鎖国、士農工商、キリスト教弾圧などネガティブな見方ばかりでもあるまいという風潮だ。日本がアメリカナイズされる前の「古き良き時代」という捉え方だ。明治維新というある種の革命により、文明開化、脱亜入欧が叫ばれ江戸時代が否定された結果が、現在も続いていると思われる。そうなる以前の江戸時代をもっとキチンと整理して再評価しようという傾向だ。

ベートーヴェンで飽和した感のある古典派時代が、明治維新よろしく弾けてしまったのが、いわゆる「ロマン派の時代」だ。「古いこと=悪いこと」「壊すこと=良いこと」であるかのような風潮に支配された。訳のわからぬ作品が「未来の音楽」のキャッチフレーズとともにもてはやされた。みんなこの風潮に酔った。才能の有無に関わらず、この波に乗り遅れまいという時代になった。

そこへひょっこりブラームスだ。「江戸時代も捨てたモンではありませぬ」とばかりに説得力ある作品を携えて現れた。才能が無くてただ波に乗ってた輩は、「やばい」のと照れ隠し代わりにブラームスを攻撃する。いわく「保守的」「時代錯誤」「室内楽的」という三点セットだ。ブラームスの時代にあっては既に確立していた「明治維新の空気」にひょっこり乗る方がよっぽど保守的である。保守的であるばかりか「楽」なのである。そんな時代に敢然と江戸時代に回帰して見せることの方が数段勇気が要るのだ。ましてブラームスは、しばしば鎌倉時代まで遡ることすら試みている。

もっとも大切なことは、ブラームスの取り組みが、単なる懐古趣味や実験にとどまらずに芸術と継ぎ目なく融合している点である。単なる懐古趣味や実験に終始し、ついぞ芸術の域に到達しなかった輩も少なくない中で、ブラームスがそれに高い確率で成功していることが私をブラームスに駆り立てる原因の一つになっている。

後世に残すに相応しからぬ作品を自ら廃棄する勇気を誰にもまして持っていたのがブラームスだ。おそらくそれは古来「武士道」と呼びならわされているものに似ているのではないかとも思っている。

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